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Googleの画像判別ツール、誰でも使えるようになった

GoogleがAI生成の画像・動画・音声を見分ける「SynthID Detector」を一般公開した。メディア関係者限定だった提供を広げ、OpenAI・NVIDIA・Kakao製の生成物も判定できる。

イメージ写真。手元のスマートフォンに表示された写真を確認している人の手元のクローズアップ。

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by Airam Dato-on on Pexels

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SNSで見かけた写真が、妙に整いすぎていて落ち着かない。そんな違和感を覚えても、本物かAIが作ったものかを自分で確かめる手段はこれまでほとんどなかった。

Googleは2026年10月7日(米国時間)、ツール「SynthID Detector」を誰でも使える形で公開した。画像・動画・音声がAIで作られたかどうかを確認できる。これまで報道関係者などテスターに限られていた提供範囲が、サインインすれば誰でも使える状態に広がった。

実際に何が確認できるのか。そして、加工された画像でもちゃんと見分けられるのか。そこまで追ってみる。

一般公開でだれでも使える

SynthID Detectorは、Google DeepMindが2025年5月に発表したツールだ。当初はメディア専門家や研究者など、一部のテスターしか使えなかった。

その提供範囲を、Googleは2026年10月7日に「だれにでも(everyone)」広げ、英語版を世界中で使えるようにしたと公式ブログで明らかにした。Impress Watchの記事も同じ経緯を伝えている。確認できるのは画像・動画・音声の3形式で、文章の判定はこのツールの対象外になる。

SynthIDという透かしの技術自体は、2023年から画像・動画に使われてきた。Google公式ブログによると、これまでに透かしを付けた画像・動画は1,800億点を超え、音声は累計24万年分にのぼる。Search・Geminiアプリ・Chromeに内蔵された検証機能だけでも、合わせて1日100万件以上のリクエストを処理しているという。これだけの規模で透かしを刻んできたAI生成物を、SynthID Detectorを使えば自分の手元でも1件ずつ確認できるようになった。

限定提供から一般公開へ。この切り替えで、何が新しくできるようになったのか。

ライバル企業の画像も判定

SynthID Detectorが確認できるのは、Google製のAIが作ったコンテンツだけではない。Googleの公式ブログには、確認対象のパートナーとしてOpenAI・NVIDIA・Kakaoの名前が挙がっている。Appleも近日対応予定だ。

GIGAZINEが実際に試した記事がある。Geminiで生成したイラストをアップロードすると、「SynthID was detected」と表示された。Google製と判定された形だ。同じプロンプトでChatGPTに作らせた画像をアップロードすると、今度は「This media was made or edited with OpenAI」と表示された。

自分がここで驚いたのは、検索や広告で競い合っているはずのGoogleとOpenAIが、コンテンツの出どころを示す透かしの規格では同じ土俵に乗っている点だ。1つのツールで複数社の生成物を判定できるのは、各社がGoogleの透かし規格を自社の生成AIに組み込んでいるからだ。

どの会社の生成物か分かるとして、実際の操作はどう進むのか。

サインインすれば使える

確認の手順はシンプルだ。GIGAZINEの検証によると、次の流れになる。

  1. synthid.com にアクセスする
  2. 「Upload a file for detection」をクリックする
  3. Google・Apple・ChatGPTのいずれかのアカウントでサインインする
  4. 確認したい画像・動画・音声ファイルをアップロードする

サインインが必須になっている理由をGoogleは説明していない。誰でも試せるとはいえ、アカウントなしでその場ですぐ確かめる、という使い方はできない。

ここまでは、加工していない画像での話だ。SNSに流れる画像の多くは、切り取られたりフィルターをかけられたりしている。そうした画像でも判定できるのか。

加工した画像でも分かるか

GIGAZINEの記事は、ChatGPT製の画像から猫の部分だけを切り取り、明るさを変えてから再度アップロードする検証も行っている。結果は、SynthIDの透かし自体は検出されたが、「OpenAI製」という判定は外れた。

なぜ切り取っても透かしが残るのか。Google DeepMindの技術解説ページに説明がある。透かしは生成時に画素そのものへ埋め込まれ、切り取り・フィルター・非可逆圧縮を経ても検出できるよう設計されている。画像全体を覆う一枚の判(はん)のようなものではなく、画素ごとに散らばった信号に近い。だから一部を切り取っても、残った画素に信号の断片が残る。

ただし、信号が残ることと、どの企業のAIかまで言い当てられることは別だ。今回の検証では、加工を経ると「AIで作られたこと」までは分かっても、「どの会社のAIか」は分からなくなっていた。

同じ検証記事は、もう一つ確認を行っている。AIを使っていないGIGAZINE自前の連載漫画のコマをアップロードした結果は、SynthIDが検出されなかった。人の手だけで描いたものにまで「AI製」の判定が出てしまうわけではない、という逆方向の確認になっている。

Googleの公式ブログの注意書きも見ておきたい。SynthIDが検出されないからといって、その画像が人間の手だけで作られたと証明されるわけではないという。SynthIDに対応していない生成AIで作られたコンテンツには、そもそも透かしが入っていないからだ。

対応企業と対応形式

今回判定の対象になる企業を、Google公式ブログとGIGAZINEの検証から整理する。

企業SynthID Detectorでの判定備考
Google対応済みGemini等、自社AIの生成物
OpenAI対応済みGIGAZINEの検証で「OpenAI」の表示を確認
NVIDIA対応済みGoogle公式ブログに記載
Kakao対応済みGoogle公式ブログに記載
Apple近日対応予定Google DeepMindの投稿による

表から分かるのは、判定の相手がGoogle一社にとどまらない点だ。SynthID Detectorを開けば、少なくとも4社の生成AIを同じ画面で確認できる。

まとめ

SynthID Detectorは、2025年のテスター限定公開から一般公開へと範囲を広げ、画像・動画・音声の判定を誰でも試せる状態になった。判定の相手はGoogleだけでなく、OpenAI・NVIDIA・Kakaoにも及ぶ。Appleも近く加わる。

切り取りや明るさの変更を経ると、透かしの検出は維持されても企業までは判定できなくなることがある。それでも、未加工の画像であれば、どの企業のAIが作ったかまで、アカウント一つで自分で確かめられるようになった。

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