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「Qi2 Ready」はGalaxy S26の磁石なしを指す。Samsungは「Qi2」と一度も書いていない

Galaxy S26とPixel 11、どちらも「Qi2」対応に見えるが、本体に磁石があるのは片方だけ。WPCの規格上の定義と、両社の公式表記の差を確認する。

スマートフォンが円形のワイヤレス充電パッドの上に置かれ、ノートパソコンの脇で充電されている様子

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by Rann Vijay on Pexels

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GalaxyのS26シリーズとPixelの11シリーズ、両方の仕様に「Qi2」の文字がある。iPhoneのMagSafeみたいに、箱から出してすぐ磁石でパチッとくっつく充電ができるのだろうと思って調べ始めた。

**結果は機種によって違った。Pixel 11シリーズは本体に磁石が入っているが、Galaxy S26シリーズは入っていない。**磁石は別売りのケースが持っている。しかもSamsung自身の公式発表を読んでも、この違いには気づけない。「Qi2」という単語そのものが出てこないからだ。

「Qi2」の外側に「Qi2 Ready」という区分がある

磁石で位置を合わせるワイヤレス充電の規格は、Wireless Power Consortium(WPC)が定める「Qi2」という名前で2023年に始まった。WPCの発表文はこの規格を「Magnetic Power Profile(MPP)」と呼ぶ。AppleがMagSafe技術をWPCへ提供して作られたものだと説明している。WPCの2023年11月の発表

MPPは磁石の内蔵が前提になる。ここまでは「Qi2」の名前どおり、想像していたMagSafeに近い仕組みだ。

ところがWPCは2025年1月、この上に「Qi2 Ready」という区分を追加したと発表した。スマートフォンとケースなどのアクセサリが「承認済みの組み合わせで対になったときに、フルのQi2ユーザー体験を届ける」ものだと説明されている。WPCの2025年1月の発表。承認済みの組み合わせとは、スマートフォン本体と、磁石を内蔵した専用ケースの組を指す。

「Ready」という語感から、自分は最初、速度が一段階落ちる簡易版を想像した。しかし読み直すと、この区分が分けているのは充電の速さではない。磁石をスマートフォン本体とケースのどちらが持つか、という点だ。本体に磁石がなくても、承認済みのケースと組み合わせれば「Qi2」を名乗れる。これが「Qi2 Ready」の実体になる。

Galaxy S26は磁石なし、Pixel 11は磁石ありで発売された

規格の説明だけでは実感が湧かないので、今実際に店頭に並んでいる2機種で確かめる。

Galaxy S26は「Qi2 Ready」、磁石はケース側

Galaxy S26シリーズ(2026年2月25日発表)は、この「Qi2 Ready」にあたる。本体はBase Power Profile(BPP)という、磁石を含まない仕様で動作する。磁力での位置合わせや、磁石対応アクセサリとの接続には、磁石を内蔵した別売りのケースが必要になる。Android Centralの解説

この構成は前世代のGalaxy S25シリーズから続いている。9to5Googleは当時、WPCの公式リストにS25シリーズが載っていることを確認した。そのうえで、Magnetic Power Profileへの対応を伴わないと報じていた。9to5Googleの記事(S25の先例)

Pixel 11は本体に磁石を内蔵する

一方のPixel 11・Pixel 11 Pro(2026年8月12日発表)は違う。Google公式の仕様ページに「Pixelsnap wireless charging (Qi2.2-certified) up to 25W」と明記されている。Google公式のPixel 11仕様。Pixelsnapは本体に磁石を内蔵する仕組みだ。前世代のPixel 10でも同じ名前で採用されていた。Google公式のPixel 10仕様

速さは近い、違うのは磁石の有無

充電の速さで見ると、両者は近い数字に並ぶ。Galaxy S26 Ultraの最大出力は25Wと報じられており、Pixel 11・Pixel 11 Proの25Wと同じ帯域だ。差が出るのは速度ではない。箱から出した状態で磁石が使えるかどうかにある。

項目Galaxy S26シリーズPixel 11 / Pixel 11 Pro
Qi規格上の区分Qi2 Ready(BPP、磁石はケース側)Qi2.2-certified(MPP内蔵)
本体の磁石なしあり(Pixelsnap)
ワイヤレス充電の最大出力Ultraで25W(報道による)25W(Google公式)
公式表記での「Qi2」使われていない明記されている

表からは、充電の速さだけを見ていては気づけない違いが分かる。Galaxy S26シリーズを箱から出してそのまま充電台に置いても、位置合わせは磁石なしの従来方式のままで、MagSafeのようなカチッとした感触は得られない。

Samsungは「Qi2」という言葉を使っていない

ここでもう一つ確かめたいことがあった。この違いは、Samsung自身の公式発表を読めば分かるのだろうか。

Samsungのグローバル公式ニュースルームに掲載されたGalaxy S26シリーズの発表文を全文取得し、「Qi2」という文字列で検索した。ヒット数はゼロだった。ワイヤレス充電については「Super Fast Wireless Charging」という独自の名称があるだけだ。脚注に「Wireless charging compatible with WPC」という一文はあるが、規格名の「Qi2」も、磁石の有無も書かれていない。Samsungの公式発表

これは予想していなかった。てっきり規格に準拠した製品なら、自社の発表文でもその規格名を掲げるものだと思っていたからだ。Samsungの公式サポートページまで見ると、ようやく「Qi2 25W Wireless Magnet Charger」という名前のアクセサリが登場する。Samsungの公式サポートページ。ここでの「Qi2」は充電器という製品名の一部としての表記で、本体の仕様表には出てこない。

対照的にGoogleは、Pixel 11の公式仕様ページに「Qi2.2-certified」とそのまま書いている。読者が「Qi2」という単語で両社の情報を探すと、Googleの一次情報にはたどり着けるが、Samsungの一次情報には行き着きにくい。同じ規格の話をしているはずなのに、たどる語彙が製造元によって違っている。

「Qi2非対応」ではなく「磁石がケース任せ」

ここまで読むと、Galaxy S26シリーズは「Qi2に対応していない」機種だと思うかもしれない。そうではない。「Qi2 Ready」という、WPCが正式に認めた区分に対応している。非対応と混同すると、実際より悪い印象を持ってしまう。

問題になるのは、店頭やECサイトのスペック表だけを見て「Qi2」の文字に安心し、磁石で吸着する体験までセットだと思い込んでしまう場面だ。Galaxy S26シリーズでその体験を得るには、磁石入りの純正ケースか、対応をうたう他社製ケースを追加で用意する必要がある。

まとめ

  • WPCは2025年1月、本体に磁石を内蔵する従来の「Qi2」(Magnetic Power Profile)に加えて、磁石をケース側に置く「Qi2 Ready」という区分を追加した。読者が想像しがちな「速度が落ちる簡易版」ではなく、磁石の置き場所を分ける区分になる
  • Galaxy S26シリーズは「Qi2 Ready」にあたり、本体に磁石はない。Pixel 11・Pixel 11 Proは本体に磁石を内蔵する「Qi2.2-certified」で、Google公式ページにもそう明記されている
  • Samsungの公式発表文には「Qi2」という単語が一度も出てこない。店頭で「Qi2」の表記だけを頼りに機種を選ぶと、磁石の有無という一番知りたい差に気づけないまま買うことになる
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