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Windows 11、8GBメモリのPCを最大20%高速化

Microsoftが2026年10月15日に公式発表。8GB以下のPCはウィジェットを開いたときだけ読み込む方式に変え、200MB以上のメモリを解放。検索やエクスプローラーなどの操作が最大20%速くなった。

バックライトが光るノートパソコンのキーボードを斜め上から写したクローズアップ

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by Castorly Stock on Pexels

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「Windows 11にしてから、前より動作が重く感じる」。メモリ8GBのノートPCで、アプリをいくつか開いたまま作業していると、そう感じる場面は少なくない。買い替えるほどではないが、起動や切り替えの一瞬の引っかかりが気になる、という状態だ。

Microsoftは2026年10月15日、公式ブログでWindows 11のメモリ管理を改善したと発表した。8GB以下のPCでは、タスクバーのウィジェットを開いたときだけ読み込むように変え、それだけで200MB以上のメモリを他のアプリへ回せるようになったという。検索やファイルエクスプローラーなど、普段何度も使う操作も最大20%速くなったと書かれている。公式ブログ

ウィジェットだけでそれほど変わるものなのか。20%という数字はどこまで信じてよいのか。そして、この変更は自分のPCにいつ届くのか。

8GBという基準はどこから来ているのか

そもそも、今回の変更がなぜ「8GB以下」を対象にしているのか。Windows 11の公式な最小システム要件と、今回の対象を並べると違いが分かる。Windows 11 Specifications

  • Windows 11の公式な最小システム要件: メモリ4GB以上
  • 今回のメモリ最適化の対象: メモリ8GB以下

8GBは最小要件の2倍にあたり、動作の最低ラインぎりぎりの構成ではない。数年前に買った普及価格帯のノートPCでは、ごく普通に積まれている容量でもある。最小要件は満たしているのに重いと感じる人が多いのは、このクラスだということになる。では、このクラスのPCで具体的に何が変わったのか。

ウィジェットは開いた時だけ読み込みに

8GB以下のPCで最初に変わったのは、タスクバーのウィジェットの動き方だ。Windows 11には、タスクバー左端のアイコンをクリックすると、天気やニュースをパネル表示するウィジェット機能がある。これまでは、このパネルを一度も開いていなくても、呼び出した瞬間にすぐ開けるよう、裏側で常にメモリに読み込まれたままになっていた。

Microsoftは公式ブログで、8GB以下のメモリを積んだPCに限り、ウィジェットの読み込み方式を次のように変えたと説明している。公式ブログ

  • 変更前: パネルを開いていない間も、常にメモリに読み込んだままにする
  • 変更後(8GB以下のPC): パネルを開いたときにだけ読み込む

一度も開かなければ、その分のメモリはまったく使われない。この変更だけで、他のアプリに回せるメモリが200MB以上増えるという。

自分はここで一度立ち止まった。ウィジェットを一度も開かない人にとっては、使ってもいない機能のために200MBものメモリが常時持っていかれていたことになる。8GBという総容量のなかでは、2.5%にあたる。1つの機能の挙動を変えただけで、この割合が空くというのは小さくない変化に見える。

ウィジェットの話だけでは、メモリ管理の改善の全体像はまだ見えてこない。

メモリ最適化は7月から続く取り組み

ウィジェット以外にも手は入っている。同じ公式ブログは、メモリ管理の改善によって「これまでより最大2GB多くのアクティブなデータをメモリに保持できるようになった」とも説明している。公式ブログ

アプリやブラウザのタブを開きすぎると、OSは使用中のデータの一部を低速なストレージへ一時的に逃がし、必要になったときに読み戻す。ブラウザのタブを何十個も開いたままアプリを切り替えると、切り替えた直後だけ画面が一瞬固まることがあるのは、この読み戻しが起きているためだ。この入れ替え作業が増えるほど、操作への反応は遅くなる。メモリに多く置いておけるなら、入れ替えの頻度そのものが減る。

この取り組みは、今回が初出ではない。Microsoftは2026年7月31日の公式ブログで、「8GB以上のPCに向けたメモリ最適化」を今後の重点分野の一つに挙げていた。7月の公式ブログ

そこで挙げられていたのは、次の3つの方向性だ。

  • より効率的な方式でメモリを確保する仕組み(アロケーター)への切り替え
  • Windows標準アプリの土台であるWinUI 3が、設計段階からメモリを少なく使うようにする調整
  • ブラウザ表示に使われるChromiumとWebView2というコンポーネントの効率化

10月の発表は、7月に予告していたこれらの取り組みの一部が形になったものといえる。

では、これらの変更は実際の操作でどれだけ体感できる差になっているのか。

操作は最大20%速くなった

公式ブログは、ウィジェットとメモリ管理の改善を合わせた結果として、次の操作が「最大20%」速くなったとしている。公式ブログ

  • 検索を開く
  • スタートメニューを開く
  • 右クリックメニューを表示する
  • 設定アプリを開く
  • Snipping Toolを起動する
  • ファイルエクスプローラーを開く

いずれも、ファイルを探す、アプリを起動する、設定を変えるといった、1日のうちに何度も繰り返す操作だ。1回あたりの差がわずかでも、この一つひとつの反応が速くなれば、積み重なって体感の軽さにつながる。

ただし、この20%という数字の出どころには条件がある。公式ブログの脚注によると、比較に使われたのはWindows 11のビルド26300.9550とビルド26200.7628という、特定の2つのビルド間での応答時間の差だ。どちらもMicrosoft自身による計測であり、使っているアプリの数や常駐ソフトの構成が違えば、同じ20%がそのまま再現されるとは限らない。脚注はこの点について「メモリの利用可能量は構成や使用状況によって変わる」とも書き添えている。公式ブログ

つまり20%は、特定の操作をMicrosoft自身が特定の条件で測った上限値であって、すべてのPCで同じだけ速くなることを保証する数字ではない。自分のPCでどの程度体感できるかは、使っているアプリの数や構成によって変わる。

数字の性質が分かったところで、残る疑問はいつ届くかだ。

提供時期は端末と地域によって異なる

公式ブログの脚注は、“Rollout timing and availability may vary by device and region”(提供の時期と対象は端末と地域によって異なる)と書いている。公式ブログ 2026年10月15日時点で公式ブログから分かるのは、次の範囲までだ。

  • 対象: メモリ8GB以下のWindows 11 PC
  • 対応バージョン・ビルド番号: 明記なし
  • 提供時期: 端末・地域によって異なる
  • 個別の有効・無効を切り替える設定: 現時点で公開なし

7月の予告から数えると3か月が経っているが、全体の展開はまだ進行中の段階にある。8GB以下のメモリを積んだWindows 11 PCを使っているなら、現時点でできることは、Windows Updateを通常どおり適用しておくことだ。

まとめ

Windows 11は、8GB以下のメモリを積んだPC向けに、ウィジェットを開いたときだけ読み込む方式へ切り替え、これだけで200MB以上のメモリを解放した。メモリ管理全体の改善では、作業中のデータを最大2GB多く保持できるようになり、検索やファイルエクスプローラーなど複数の基本操作が最大20%速くなったとMicrosoftは説明している。

この20%は特定のビルド同士を比較した自社計測であり、実際の体感は使用環境によって変わる。提供時期も端末と地域によって異なり、具体的なスケジュールはまだ示されていない。それでも、最小要件の2倍にあたる8GBという普及クラスに手が入ったのは確かな変化だ。買い替えを考えているなら、その前に確認しておく価値がある。

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