気になるWebページを自分でずっとチェックしている人なら、心当たりがあるはずだ。更新通知には気づいたのに、いざ「前はどう書いてあったっけ」と思い出そうとしても、元の文面はもう残っていない。ページ自体が消えてしまっていることもある。
Webページの更新を監視するフリーソフト「WWWC」が、2026年11月1日に新バージョンv1.2.0を公開した。目玉は、チェックのたびにページを保存しておく「アーカイブ」機能だ。更新を知らせるだけだったツールが、変更前の内容や消えたページの中身まで、あとから自分のPCで見返せるツールに変わった。アーカイブは具体的に何を、いつ保存してくれるのか。今から使うには何をすればいいのか。
前回の更新は2018年だった
「8年ぶり」というのが、このアップデートの最初の驚きだった。窓の杜の記事によれば、前回のバージョンv1.1.3が公開されたのは2018年11月。今回のv1.2.0までの約8年間、更新は止まっていた。長く使われている定番フリーソフトだとは知っていたが、自分はてっきり年に数回は手が入っていると思い込んでいた。それだけの間を置いて出てきた更新で、何が変わったのか。
WWWC公式サイトの更新履歴とGitHubのリリースページには、v1.1.3からv1.2.0での変更点が並んでいる。
- チェックしたページをアーカイブして後から見られるようにした
- ブラウザ情報の取得でEdge、Chrome、Firefoxに対応した
- パスワードをWindowsのユーザーごとに暗号化して保存するようにした
- HTTPと外部データの処理の堅牢性を向上した
- インストーラーを用意した
- セキュリティに関する問題を修正した
一番上に挙げられているのが、今回の目玉となるアーカイブ機能だ。これは具体的に、何をどう保存してくれるものなのか。
アーカイブは何をいつ保存するか
たとえば、よくチェックしている自治体のお知らせページがあるとする。ある日、そのページが更新されると、WWWCはアイコンと通知でそれを知らせる。この通知が出た時点で、ページはすでにアーカイブへ保存されている。あとからアイテムを右クリックして「アーカイブを開く」を選べば、保存した時点の画像やCSSを保ったまま、そのページを開き直せる。窓の杜の記事が説明する仕組みだ。
ここで押さえておきたいのが、保存の範囲と条件だ。既定では画像とCSSを保存し、JavaScriptは保存しない。保存しておく世代数は既定で最新の1つのみで、増やすかどうかはアイテムごとに設定できる。ログインなど認証が必要なページは、アーカイブの対象にならない。JavaScriptを保存しないのは、ページをその場で動かし直す仕組みではないからだろう。見た目を静的なスナップショットとして保つ設計、というのが自分の見立てだ。
このアーカイブが効くのは、更新に気づいた瞬間だけではない。自治体の募集要項、セール期間中だけの特価ページ、求人情報を思い浮かべてほしい。いずれ書き換えられたり掲載自体が終わったりするのが前提のページほど、後から見返したくなる場面は多い。
アーカイブは、チェックした瞬間を写した静止画であって、ページの全履歴を無制限に残し続ける仕組みではない。 だからこそ、更新のたびに前の版が上書きされてきたこれまでとは違う。元のページがその後また書き換えられても、ある日ページ自体が削除されてしまっても、保存した時点の内容は手元のPCに残る。更新を知らせるだけの機能から、消えた後も見返せる機能へ。これが今回のアップデートで変わった核心だ。
では、この機能を自分のPCで使い始めるには、何をすればいいのか。
使い始める前に確認すること
WWWCは公式サイトから、インストーラー版とZip版の2種類で入手できる。どちらもWindows 7以降で動き、フリーソフトとして配布されている。
| インストーラー版(wwwc120.exe) | Zip版(wwwc120.zip) | |
|---|---|---|
| 実行に必要な権限 | 管理者権限 | 不要 |
| 設定の保存先 | %LOCALAPPDATA%\WWWC | WWWC.exeと同じフォルダ |
| レジストリ | 使う | 使わない |
| アンインストール | 「プログラムと機能」から | フォルダを削除するだけ |
どちらを選ぶかは、PCへの常駐の仕方による。管理者権限がある自分のPCに腰を据えて使うならインストーラー版、USBメモリに入れて持ち運んだり複数のPCで使い回したりしたいならZip版が向く。
すでにv1.1.3以前を使っていた人は、乗り換える前に2つ確認しておきたい。
- 移行作業は手動になる。自動では引き継がれない。旧バージョンのフォルダにあるユーザー名フォルダ・general.ini・wwwc.ini・filter.txtを、新しい保存先へ手動でコピーする
- パスワードは別PCへ持ち出せなくなる。v1.2.0では、ログインが必要なページ用に保存したパスワードがWindowsのユーザーごとに暗号化される。設定ファイルをそのまま別のPCへコピーしても、保存済みのパスワードは使えない。別のPCと共有したい場合は
wwwc.iniの[HTTP]にあるPassProtectを0に設定し、パスワードを入力し直す必要がある。ただしこの場合、パスワードは暗号化されずに保存される
セキュリティ面の改善と引き換えに、複数PCでの使い回しには一手間増えた形だ。
まとめ
WWWCのv1.2.0は、2018年11月のv1.1.3以来、約8年ぶりの更新だった。目玉のアーカイブ機能は、ページをチェックするたびにその時点の内容を保存し、変更前の内容や削除後のページの中身まで、あとから手元のPCで見返せるようにする。ただし保存されるのは既定で画像とCSSのみ、世代数も既定では最新の1つ、認証が必要なページは対象外という条件がある。すでに使っていた人は、旧設定の手動コピーと、Windowsユーザーごとに暗号化されるようになったパスワードの扱いを確認してから乗り換えるとよい。
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