iPhone 18 Proに保護フィルムを貼ったら、顔認証が反応しなくなった。発売日の2026年9月18日から、こんな報告がSNSで相次いだ。名指しされたのは「アンチグレア」と呼ばれるつや消しタイプの保護フィルムだ。実際に何が起きていたのか調べると、フィルムの品質の問題ではなく、iPhone 18 Pro自体の設計変更が原因だと分かった。クリア(光沢)タイプの保護フィルムを選べば、Face IDは今までどおり動く。
どのフィルムでも起きるのか
保護フィルムを貼るとFace IDが使えなくなる、という報告はどのフィルムにも当てはまるわけではない。各社の対応を見ると、対象になったのはいずれも非透明タイプだった。
対応は発売前後の2日間に集中している。(iPhone 18 Pro用フィルム、Face ID不具合で販売停止・回収 - すまほん!!)
- NIMASO JAPAN: 発売前日の9月17日、iPhone 18シリーズ向けアンチグレアフィルムの販売を停止し調査を開始
- PGA: 発売翌日の9月18日、液晶全画面保護フィルム2製品を交換・返金
- トリニティ: 同じく9月18日、画面保護ガラス・フィルム4製品を交換・返金
- ラスタバナナ: 同じく9月18日、反射防止タイプフィルム4製品を交換・返金
一方、ガジェット系メディアgazlogが実機で確かめたところ、クリア(光沢)タイプの保護フィルムでは問題が起きなかった。(iPhone 18 Proでアンチグレア保護フィルムを使うとFace IDが動かず。クリアタイプなら問題なし - gazlog)ベルモンドやLEPLUSなど一部メーカーも、自社のクリアタイプ製品について「実機で動作確認済み」と発信している。
自分は最初、発売直後によくある初期不良の一種だと思っていた。だが複数の主要メーカーで同時に、しかも非透明タイプだけに絞って起きているのを見て、考えを改めた。そもそも、薄いフィルムを1枚重ねただけで顔認証が乱れること自体が不思議に思えてくる。
なぜフィルム1枚で認証が乱れるのか
画面を見てもロックが解除されず、パスコード入力の画面に切り替わる。フィルムを貼った直後にこれが起きると、故障を疑いたくなる。だが原因は壊れたことではなく、認証の方式そのものにある。
Face IDはカメラで顔を撮影しているわけではない。赤外線を顔に向けて無数の点を投影し、跳ね返ったパターンから顔の凹凸を読み取る、いわば「顔の形」の認証だ。
この赤外線は、レンズの前を覆うものの影響を受けやすい。テクスチャー加工やつや消しコーティングを施したフィルムは赤外線のパターンを散乱させ、顔の形を正しく読み取れなくする。表面が滑らかなクリアタイプなら、赤外線はほぼそのまま透過する。(Buyer beware: iPhone 18 Pro Max’s under-display Face ID doesn’t like matte screen protectors - Notebookcheck)
この理屈自体は今回に限った話ではない。曇ったフィルムがFace IDに良くないという注意は、Face ID搭載機種が登場した2017年から一貫している。iPhone 17以前でも理屈は同じはずなのに、なぜ2026年のiPhone 18 Proでだけ問題が急に表面化したのか。
ダイナミックアイランドが小さくなった理由
2026年9月9日の発表会で、Appleはダイナミックアイランドを小さくしたと説明していた。画面上部の黒い切り欠きは実際に一回り小さくなり、これまで2つまでだった同時表示のライブアクティビティも3つに増えている。(iPhone 18 Pro Features Smaller Dynamic Island With Support for Three Live Activities - MacRumors)ただしAppleは、どうやって小さくしたのかまでは説明していなかった。
答えが分かったのは発売翌日、2026年9月18日に公開された分解(ティアダウン)動画からだ。分解を行ったREWA Technologyの映像をもとにしたMacRumorsの記事によると、Appleは顔認証用の赤外線カメラを画面の下、左上隅に埋め込んでいた。カメラの真上にあたる有機ELパネルだけ画素の並びを変え、赤外線を透過させながら、見た目はほかの部分とほとんど変わらないように仕上げてある。(iPhone 18 Pro Teardown Reveals How Apple Shrunk the Dynamic Island - MacRumors)
自分はこの記事を読むまで、ダイナミックアイランドが小さくなったのは部品を小型化しただけだと思い込んでいた。実際には、センサーの一部を画面の下に隠すという、スマホの前面カメラではまだ珍しい方式に置き換えていた。
画面の下にカメラがあっても普段の見た目は変わらない。だからこそ、その上に保護フィルムを貼るときも、そこに認証の要になるカメラが隠れていることには気づきにくい。Appleのサポート文書も、この左上の位置を名指しして保護フィルムの見直しを案内している。(If Face ID isn’t working on your iPhone or iPad Pro - Apple Support)
保護フィルムを選ぶときの基準
クリア(光沢)タイプの保護フィルムを選べば、Face IDは今までどおり動く。避けるべきは、非透明の加工を施したタイプだ。呼び方は製品によって「アンチグレア」「反射防止」「覗き見防止(プライバシー)」などに揺れる。アンチグレア・反射防止は表面のざらつきで光を拡散させ、覗き見防止は斜めの視野を遮る細かい格子を挟む。仕組みは違っても、どちらも赤外線の通り道を乱すという点は共通している。
| タイプ | Face IDへの影響 | 該当する呼び方の例 |
|---|---|---|
| クリア(光沢) | 問題は報告されていない | クリア、光沢、グレア |
| 非透明 | 認証エラーが相次いだ | アンチグレア、つや消し、反射防止、覗き見防止 |
購入前後で確認する手順は次のとおりだ。
- 商品ページで「クリア」「光沢」と明記されているかを確認する
- 覗き見防止など非透明タイプを使いたい場合は、メーカーが「iPhone 18 ProでのFace ID動作を確認済み」と明記しているかを確認する
- すでに購入した製品で症状が出た場合は、メーカーの案内を確認する。PGA・トリニティ・ラスタバナナ・NIMASO JAPANはいずれも交換・返金または販売停止の対応を発表している
まとめ
iPhone 18 Proでは、ダイナミックアイランドを小さくするためにFace IDの赤外線カメラが画面下の左上隅に移された。非透明タイプの保護フィルムはこのカメラの赤外線を乱反射させ、認証エラーを起こす。原因はフィルムの品質ではなく設計変更にあるので、保護フィルムを選ぶときはクリア(光沢)タイプを基準にすればよい。すでに非透明タイプを買ってしまった場合は、まずメーカーの交換・返金案内を確認するとよい。
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