フルサイズミラーレスを持ち歩くと、手ブレ補正(ボディー内5軸手ブレ補正、IBIS)付きの機種はどれも600gを超え、肩や首に来る。かといって軽い機種を選ぶと、たいてい手ブレ補正が付いていない。キヤノンが2026年9月16日に発表した「EOS R8 Mark II」は、この二択に一石を投じた。軽さが売りだったEOS R8系列に初めて手ブレ補正を積みながら、本体の重さは546gに収まっている。手ブレ補正を足すと、結局どれくらい重くなるのか。
EOS R8に手ブレ補正がなかった理由
キヤノンのフルサイズミラーレスには、もともと役割分担がある。EOS R6シリーズは手ブレ補正を搭載する代わりに重く、EOS R8シリーズは手ブレ補正を省く代わりに軽い。2023年発売の初代EOS R8は、本体のみ約414g、バッテリーとカードを含めても約461gしかない。キヤノン公式の仕様ページには、手ブレ補正の項目に「非搭載」とはっきり書かれている。
この軽さは、手ブレ補正の機構を積まなかった結果でもある。手ブレ補正機構はセンサーを動かして手ブレを打ち消す部品なので、無くせばそのぶん軽くなる。EOS R8を選ぶ人は、レンズ側の手ブレ補正(レンズにISが付いている場合)や、三脚・速いシャッター速度で手ブレを避ける前提だったことになる。
そのEOS R8系列に、Mark IIで手ブレ補正が加わった。素直に考えれば、軽さという売りを手放すことになる。実際の重さはどうなったのか。
手ブレ補正を足すと何g増えたのか
キヤノン公式の仕様ページによると、EOS R8 Mark IIの質量は本体のみ約499g、バッテリーとカードを含めて約546g。初代EOS R8(461g)との差は85gだった。
手ブレ補正機構を新搭載しても、増えたのは85gだけだった。 自分はこの数字を見て面食らった。手ブレ補正の有無は、キヤノンの中でEOS R6シリーズとEOS R8シリーズを分ける境界線だった。そこを踏み越えるなら、数百グラム単位で重くなるだろうと踏んでいたからだ。
その予想が的外れだったかどうかは、手ブレ補正付きの上位機と並べると分かる。
EOS R6 Mark IIは約670g、EOS R6 Mark IIIは約699g。どちらも手ブレ補正付きだが、EOS R8 Mark IIはこの2機種よりそれぞれ124g、153g軽い。手ブレ補正付きのフルサイズ機を探すとき、600g前後が当たり前だと思っていたなら、546gという数字はその前提より一段軽い。
手ブレ補正の効き方の段数を比べるときは、注意が要る。キヤノン公式ページは、EOS R8 Mark IIの補正効果を「中央最大7.5段」と説明している。ただしこれはRF24-105mm F2.8 L IS USM Zを使い、CIPA 2024規格で測定した数値だ。EOS R6 Mark IIの「最大8.0段」は別のレンズ(RF24-105mm F4 L IS USM)を使い、異なる版のCIPA規格で測定した数値だ。段数だけを並べて、どちらが効くかは比較できない。ここで確かめられるのは質量の差になる。
85gの増加でこれだけ軽さを保てたのはなぜか。仕様を見ていくと、代わりに変わった場所が見えてくる。
軽さの代わりに何が変わったか
質量の増加が小さかった分、どこかに手ブレ補正機構を収める余地が必要だったはずだ。外形寸法を見て、その答えが分かった。
| 項目 | EOS R8 | EOS R8 Mark II |
|---|---|---|
| 幅 | 約132.5mm | 約131.4mm |
| 高さ | 約86.1mm | 約90.0mm |
| 奥行き | 約70.0mm | 約79.7mm |
| 質量(バッテリー・カード込み) | 約461g | 約546g |
出典はEOS R8とEOS R8 Mark IIの公式仕様ページ。幅はほぼ変わらず、高さは3.9mm増えたのに対し、奥行きだけ70.0mmから79.7mmへ約1cm近く増えている。手ブレ補正機構は主に奥行き方向の厚みを使って収まった、と自分はこの数字の並びから見ている。
デザインも変わった。キヤノンのニュースリリースは、従来のEOSシリーズの曲面基調から「直線と円弧を軸としたシンプルでモダンなデザイン」に刷新したと説明している。あわせて、AFフレームを8方向へすばやく動かせるマルチコントローラーも新たに付いた。
重さと厚みの変化が分かったところで、最後に発売時期と価格を確認する。
発売日と価格
EOS R8 Mark IIは2026年10月29日に発売される。キヤノンのニュースリリースによれば、価格はオープン価格(メーカー希望小売価格を定めない方式)で、キヤノン自身は確定額を示していない。
Impress Watchの報道は、キヤノンオンラインショップでの参考価格をボディ単体27万5,000円(税込)と伝えている。2026年9月16日時点でキヤノンオンラインショップの商品ページはまだ開設されておらず、この金額はキヤノン自身の確定額として確認できていない。
キヤノンは想定するユーザー像を「静止画・動画において作品性を追求するユーザー」と説明している(ニュースリリース)。三脚を使わない手持ち撮影が多く、フルサイズの画質と手ブレ補正の両方を求めながら荷物は軽くしたい人には、選択肢が広がったことになる。逆に、初代EOS R8の70.0mmという薄さそのものを優先したい人にとっては、増えた9.7mmの厚みが判断の分かれ目になる。確定した価格は、10月29日の発売にあわせてキヤノンオンラインショップで確認できる。
まとめ
- EOS R8 Mark IIは、軽さが売りだったEOS R8系列に初めてボディー内手ブレ補正を搭載した
- 質量はバッテリー・カード込みで546g。初代EOS R8(461g)からの増加は85gにとどまり、手ブレ補正付きの上位機EOS R6 Mark II(670g)・EOS R6 Mark III(699g)よりまだ100g以上軽い
- 軽さと引き換えに奥行きが70.0mmから79.7mmへ増え、デザインも直線基調に刷新された
- 発売は2026年10月29日。価格はオープン価格で、27万5,000円(税込)という参考価格はImpress Watchの報道によるもの
コメント
気づきや感想をどうぞ記事への補足や、読んで考えたことをお寄せください。個人情報や、他の人を傷つける内容の投稿はお控えください。
投稿にはGoogleログインが必要です。
Googleでログイン投稿にはGoogleアカウントの表示名が公開されます。メールアドレスは取得・公開しません。
コメントを読み込んでいます…