出先からWi-Fiカメラの映像を見ようとしたら繋がらない。帰宅してルーターを見ると、ランプは点いているのに応答していない。電源プラグを一度抜いて挿し直すと、何事もなかったように復旧する。この「抜き差しすれば直る」経験をした人は多いはずだ。
MegaTec(MSNswitch)の「ezJack」(型番EJ-13)は、この抜き差し作業そのものを機械にやらせる電源タップだ。公式ページによれば、ルーターの電源アダプターとルーター本体の間に挟んで設定すると、接続状況を継続的に監視し、接続が失われたときには自動的にデバイスをリセットする。固まったことに自分が気づくより先に、直っていることになる。
タイマー式では何が足りないか
ルーターを定期的に再起動させる対処法は、すでにある。電源タップの時刻指定タイマーを使い、毎晩決まった時刻に電源を切って入れ直す方法だ。自分も以前、電源タップのタイマーを「毎晩3時に電源オフ・オン」に設定して、ルーターの不調をやり過ごしていた時期がある。
ただしこの方法は、固まっていない夜も律儀に電源を落とす力業だ。再起動中の数十秒はネットが切れるし、深夜に動いている別の処理があれば巻き込んで止めてしまう。タイマーは「時刻」を条件に動いているので、ルーターが実際に生きているか死んでいるかは関係ない。
ezJackが変えたのは、この条件の立て方だ。電源を切るかどうかの判断材料を「時刻」から「応答の有無」に変えている。
何回失敗すると動き出すか
ezJackは、相手の機器にPING(ピング)という短い信号を定期的に送り、返事が来るかどうかで生死を確認している。公式ページは、この仕組みを「ピングが失敗した際の特許取得済み自動リセット方式」と説明している。
判定の具体的な条件は、設定画面で自分で調整できる。PC Watchの実機レビューによると、検出感度やPINGを送る間隔を細かく指定できる。実際の設定では「連続して3回タイムアウトが発生すると停止しているとみなし、再起動をかける」という挙動を確認している。この3回という数字は公式ページには書かれておらず、PC Watchが実機で確かめた値だ。ただし1回のタイムアウトだけでは切らず、複数回の失敗を待ってから動く設計だとわかる。手順にすると次のようになる。
- ezJackが接続先の機器へ定期的にPINGを送る
- 応答がない状態が続く
- 既定回数(実機確認では3回)連続で失敗する
- 電源を一度切り、入れ直す
固まっていないときはこの4番目が起きない。タイマー式のように毎回落とすのではなく、問題が起きたときだけ動く点が、普通のスマートプラグとの違いになる。ただし、このリセットが実際に起きたかどうかは、使う側からは見えない作りになっている。
リセットが起きたことはどう分かるか
ここまでの自動リセットは、無料のまま使える機能だ。しかし、リセットが実際に起きたかどうかを知る手段は、無料版には用意されていない。PC Watchのレビューによれば、ログの閲覧とメール通知は年59.99ドルの有料プラン(Business Cloud)が必須で、無料版では「ログは見られず、また通知機能もない」。
直してくれることと、直ったと教えてくれることが別料金になっている切り分け方には、少し虚を突かれた。無料版のまま使うと、ネットが安定しているように見えて、実は裏で何度も再起動が起きている状態にも気づけないまま運用することになる。深夜に何度も固まるような環境では、原因を把握するために有料プランを検討する理由が出てくる。
自分の機器にも使えるのか
ezJackは万能の電源タップではない。公式の仕様欄から、対応条件は次のように確認できる。
- 入出力電圧はDC5V〜12V、最大1500mA。ルーターのACアダプターがこの範囲に収まっているかを確認する
- DC出力コネクタは外径5.5mm・内径2.1mmが基本で、外径4.0mm/内径1.7mm、外径4.8mm/内径1.7mm用の変換プラグが付属する。この3種類以外のプラグ形状には対応しない
- 動作環境は0℃〜60℃・相対湿度10%〜90%の「屋内使用専用」。防水の記載はない
- 認証欄にMIC(技適)と丸PSEが含まれており、日本国内での使用を前提にした製品だと確認できる
屋内に置く家庭用ルーターやモデム、ネットワークカメラには向く一方、屋外設置の防犯カメラのように防水が要る用途には向かない。PC Watchのレビュアーも、屋外のネットワークカメラに使いたかったが防水仕様でないため断念したと書いている。
WiFiとBluetoothを備えるのはEJ-13の特徴で、設置場所が電波の届きにくい棚裏などでも接続できる柔軟性がある。管理はスマホアプリ「ezDevice」または「Cloud4UIS」プラットフォームから行う。
価格は公式ページに記載がなく、PC Watchが2026年9月末時点のAmazon.co.jp価格として4,720円と報告している。
まとめ
ezJackは、ルーターが固まったかどうかの判定自体をPING監視に任せ、応答が一定回数連続で途絶えたときだけ電源を切って入れ直す電源タップだ。時刻指定で動く従来のタイマー式と違い、固まっていないときは何もしない。無料のままでも自動リセット自体は動くが、リセットが実行されたことを知る手段(ログ・メール通知)は有料プランが必須という切り分けがある。自分の機器がDC5〜12V・最大1500mA、対応プラグ形状(5.5/2.1mm、4.0/1.7mm、4.8/1.7mm)に収まるかを確認すればよい。それだけで、屋内のルーターやモデムから「気づく前に直っている」状態を作れる。
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