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ヤマハのルーター拡張ライセンスで複合機もDNS保護

ヤマハがRTX1300・RTX840向けDNSセキュリティ拡張ライセンス「YSL-CLDDNS」を発表。ルーター1台への登録だけで複合機やIoT機器まで守れる仕組みと価格をまとめた。

4本のアンテナを立てた白い無線ルーター

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by Jakub Zerdzicki on Pexels

社内のPCにはウイルス対策ソフトを入れている。複合機やスマホ、工場のカメラのようなIoT機器までは、同じようにソフトを入れられない。情報システムを一人で見ている担当者ほど、ここで対策が止まりやすい。

ヤマハは2026年11月6日、ルーター「RTX1300」「RTX840」向けのDNSセキュリティ拡張ライセンス「YSL-CLDDNS」を発表した。Cloud Watchの記事によると、販売開始は11月17日で、同日リリース予定の最新ファームウェアを適用すれば使える。ルーター1台にライセンスキーを登録するだけで、ソフトを入れられない機器まで含めて、社内の全端末のDNS通信を保護できるようになる。

なぜ複合機やIoT機器まで守れるのか

ソフトを入れられない機器が守れる理由は、ルーターという場所にある。社内の端末がインターネット上のどこかへアクセスするとき、まず相手の名前(ドメイン名)をIPアドレスに変換する「DNS」という問い合わせを行う。この問い合わせは、PCだろうと複合機だろうとIoTカメラだろうと、インターネットへの出入り口であるルーターを必ず経由する。

YSL-CLDDNSは、ルーターの持つDNSリカーシブ機能を使い、ヤマハのセキュリティサーバーと連携する。Cloud Watchの記事では「ルーター配下のすべての端末(機種・OSを問わず)のDNS通信を監視・制御します」と説明されている。端末が悪意のある通信先や不正なカテゴリーへアクセスしようとすると、ブロックページへ転送する仕組みだ。脅威情報には、OpenText Threat Intelligence(旧Webroot BrightCloud)を使う。

機種やOSを問わないのは、検査する場所が各端末ではなく、全員が必ず通るルーターの入口にあるからだ。複合機やIoTカメラのようにソフトを入れられない機器も、この入口を通る以上は対象から外れない。

価格は1年と5年でいくら違うか

価格は税込で、対象ルーターとライセンス期間によって4種類に分かれる。ヤマハの公式カタログ(2026年11月版、2026年11月6日に確認)の価格表で確認した数値は次のとおりだ。販売元はヤマハ株式会社になる。

型番対象ルーター期間価格(税込)
YSL-CLDDNS-R2-1YRTX8401年3万3000円
YSL-CLDDNS-R3-1YRTX13001年9万9000円
YSL-CLDDNS-R2-5YRTX8405年16万5000円
YSL-CLDDNS-R3-5YRTX13005年49万5000円

5年分を電卓で確認すると、RTX840は3万3000円×5=16万5000円、RTX1300は9万9000円×5=49万5000円になる。どちらも1年ライセンスのちょうど5倍で、複数年契約による値引きは無い。サブスクリプション型の商品には複数年契約で単価が下がるものも多いので、意外だった。5年ライセンスを選ぶ利点は、値引きではなく、毎年の更新作業を省けることに絞られる。

新しくルーターを買う必要はない。すでにRTX1300かRTX840を使っている事業者なら、購入後に届くライセンスキーをWeb GUIに登録するだけで機能が使える。初期設定は標準のセキュリティポリシーで始められる。

設定後は、脅威の種類別・端末別・ドメイン別の検出数とイベント履歴を、Web GUIかCLIで確認できる。CLIでは、脅威ポリシーやカテゴリーポリシーのほか、特定のIPアドレスを許可・遮断する例外ポリシーも設定できる。社内サーバーなど特定のドメインを、セキュリティサーバーへ問い合わせない対象にするスプリットポリシーも用意されている。

既存のウイルス対策はもう要らないのか

ここまで読むと、ルーター1台で守りが完結するように見えるかもしれない。だが、ヤマハの公式カタログには比較図がある。そこでは、ファイアウォール・IDSやMicrosoft Defenderのような既存の対策と並べて、このライセンスが追加の層として描かれている。PCに入れているウイルス対策ソフトを置き換えるものではなく、ソフトを入れられない機器まで保護の範囲を広げるための、もう1枚の層という位置づけだ。

向く人・向かない人は次のとおりだ。

  • 向く: 専任のIT担当者がいない中小企業・SOHOで、複合機やIoT機器のセキュリティ対策に手が回っていない事業者
  • 向く: 既存のRTX1300・RTX840をそのまま使い、新しいハードウェアを増やさずに対策を広げたい事業者
  • 向かない: すでにUTM(統合脅威管理)などで同等の対策を導入済みの事業者
  • 向かない: RTX1300・RTX840以外のルーターを使っている事業者

ヤマハは、通信性能への影響はほとんどないとしている。

サポート窓口は11月下旬から購入者専用で提供される。ライセンスに含まれるため、追加料金はかからない。

まとめ

ヤマハは2026年11月17日、ルーター「RTX1300」「RTX840」向けのDNSセキュリティ拡張ライセンス「YSL-CLDDNS」の販売を始める。ルーターのDNS機能を使うため、PCだけでなく複合機やIoT機器までソフトなしで保護の対象にできる。価格は税込でRTX840が1年3万3000円、RTX1300が1年9万9000円。5年ライセンスも用意されるが、年あたりの単価は1年ライセンスと変わらない。すでにRTX1300かRTX840を使っている中小企業・SOHOなら、新しいハードウェアを買わずに、ライセンス追加だけでDNSレベルの保護を広げられる。

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