「マイナ免許証だけにしたら、ちょっと後悔している」。運転免許証とマイナンバーカードを一体化した「マイナ免許証」に切り替え、従来の運転免許証を返納した人がいる。そんな投稿が、2026年10月にTogetterで話題になった。
免許証を手放したあと、気が変わったら取り戻せるのか。取り戻せるなら、いくらかかるのか。結論から言うと、取り戻せる。ただし更新のタイミング以外で戻すと2,550円かかる。この金額の差を知ってか知らずか、全国の保有者のうち7割以上が、最初から従来の免許証も残す「2枚持ち」を選んでいる。持ち方でどう手数料が変わるのか、警視庁と警察庁の数字から確かめる。
保有者の7割は2枚持ちを選んでいる
マイナ免許証にして後悔している人は、実際どれくらいいるのか。警察庁交通局運転免許課が2026年10月8日に公表した資料によると、2026年9月末時点で全国のマイナ免許証保有者は420万7,463人。このうち、従来の運転免許証を残さず一体化だけにした「マイナ免許証のみ」は115万552人(27.3%)にとどまった。残り306万6,911人(72.7%)は、従来の免許証も一緒に持つ「2枚持ち」を選んでいた。
帯のほとんどを2枚持ちが占めていることが分かる。免許証を手放すのではなく、持ったままマイナンバーカードにも免許情報を載せる人のほうが、実は多数派だった。自分はこの比率を見る前は半々くらいだろうと予想していたので、7割という偏りに驚いた。なぜここまで偏るのか。まず、持ち方の選択肢自体を確認する。
持ち方には3つの選択肢がある
マイナ免許証を選ぶとき、持ち方にはどんな違いがあるのか。警視庁の案内によれば、免許保有者は次の3つから選べる。
- 免許証のみ: 一体化せず、従来の運転免許証だけを持つ
- マイナ免許証のみ: 一体化し、従来の運転免許証は返納する
- マイナ免許証と運転免許証の2枚持ち: 一体化したうえで、従来の運転免許証も引き続き持つ
切り替えるかどうかは任意で、免許更新のタイミングでも、更新以外のタイミングでも変更できる。ただし、いつ・どちらの方向に変えるかで、手数料が変わってくる。まず、更新のタイミングで持ち方を選ぶ場合の手数料から見る。
更新時の手数料はいくら違うか
免許更新のときに持ち方を選ぶと、手数料はいくら違うのか。警視庁の手数料表によれば、通常更新の手数料は持ち方によって次のように変わる。
| 更新後の持ち方 | 更新手数料 |
|---|---|
| 免許証のみ | 2,850円 |
| マイナ免許証のみ | 2,100円 |
| 2枚持ち | 2,950円 |
マイナ免許証のみが最も安く、免許証のみより750円安い。2枚持ちは2,950円で、免許証のみよりわずか100円高いだけだ。この金額は警視庁、つまり東京都の例だ。手数料は道府県ごとに公安委員会規則で定められるため、他の道府県では金額が異なる場合がある。
もう一つ、マイナ免許証を持っていると使える特典がある。優良運転者区分なら、通常更新の講習をオンラインで受けられ、講習手数料が会場受講の500円からオンラインの200円に下がる。この特典は優良運転者に限られ、一般運転者区分は通常更新ではオンライン講習の対象にならない。
更新のタイミングだけで見れば、2枚持ちが一番高い。とはいえ、免許証のみとの差はわずか100円だ。この100円が何に効いてくるのか、更新のとき以外に持ち方を変える場合の手数料を見るとわかる。
持ち方を変えると手数料はどうなるか
更新のタイミング以外で持ち方を変えたくなったら、手数料はどうなるのか。冒頭のTogetterの投稿のように、マイナ免許証のみにしたあと、やっぱり従来の免許証も欲しくなったとする。警視庁の手数料表では、このケースの手数料は2,550円だ。
グラフで分かるのは、持ち方を増やす方向と減らす方向で、手数料がそろっていないことだ。免許証のみの人がマイナ免許証を追加する、または2枚持ちにするなら1,500円。2枚持ちの人が、免許証かマイナ免許証のどちらかを手放すなら、どちらも無料になる。ところがマイナ免許証のみの人が免許証を取り戻す、または2枚持ちにするには2,550円かかり、3つの変更の中で最も高い。
免許証という物理カードを新しく発行し直す側にだけ、発行の実費がかかる作りになっている。これは警視庁のページに明記された理由ではなく、手数料表を読んで自分が受け取った説明だ。この説明に立つと、更新時の100円の意味がつながる。2枚持ちは、免許証のみより更新のたびに100円多く払うだけで、あとからマイナ免許証のみに後悔して免許証を取り戻す2,550円を、払わずに済む持ち方になっている。自分には、7割が2枚持ちを選んでいるのは、この100円と2,550円の差を踏まえた結果のように見える。
まとめ
マイナ免許証は、一度マイナ免許証だけにしても、あとから従来の免許証を取り戻せる。更新のタイミング以外で持ち方を変える場合、免許証のみからマイナ免許証を追加するなら1,500円かかる。マイナ免許証のみから免許証を取り戻すなら2,550円、2枚持ちから減らすなら無料になる。更新時の手数料で比べると、2枚持ち(2,950円)は免許証のみ(2,850円)よりわずか100円高いだけだ。迷っている段階なら、この100円を払って2枚持ちで始めておくほうが、あとで2,550円を払うリスクを避けられる。全国の保有者のうち72.7%が2枚持ちを選んでいる背景には、この手数料の非対称性がありそうだ。
コメント
気づきや感想をどうぞ記事への補足や、読んで考えたことをお寄せください。個人情報や、他の人を傷つける内容の投稿はお控えください。
投稿にはGoogleログインが必要です。
Googleでログイン投稿にはGoogleアカウントの表示名が公開されます。メールアドレスは取得・公開しません。
コメントを読み込んでいます…