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年末調整の年調ソフト、来年はスマホ版に一本化

国税庁の年調ソフトは、来年配布の令和9年度版からスマートフォン版のみの提供になる。今年の年末調整は変わらず使え、パソコン版で作ったデータもスマホ版へ移行できる。

ノートパソコンの横でスマートフォンを操作する会社員(イメージ写真)

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels

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会社から案内されるまま、毎年11月になると国税庁の「年調ソフト」をパソコンにダウンロードして年末調整の書類を作っている人は多い。そこへ「パソコン版の年調ソフトが廃止される」という見出しが流れてくると、今まさに進めている作業が止まるのではと身構える。

結論から言うと、今年(令和8年分)の年末調整には関係ない。パソコン版が無くなるのは、来年配布される次の版からだ。そのときには、パソコン版で作ったデータをスマートフォン版へ持っていく方法も、国税庁が合わせて示している。気になるのは、いつから何が変わり、今まで作ったデータがどうなるかだろう。

今年の年末調整は変わらない

毎年パソコンにダウンロードしている年調ソフトとは、そもそも何のためのソフトか。従業員が控除証明書のデータを使って年末調整の申告書を作り、勤務先に提出するためのソフトで、国税庁が無償で配っている。パソコン版はMicrosoft StoreかApp Storeからダウンロードする。スマートフォン版はGoogle Play StoreかApp Storeから入手する。

今配布されているのは「令和8年版」で、令和8年分(2026年分)の年末調整に使う版にあたる。国税庁のFAQ(問5-5)は、この令和8年版の対応環境をWindows11・macOS15以降・Android13以降・iOS18.0以降と説明している。パソコン版・スマートフォン版のどちらも、今のところ変わらず提供されている。

つまり今パソコンで年末調整を終えるぶんには、何も変わらない。変わるのは、次に配られる版からになる。

来年はスマホ版のみに

国税庁のFAQには、2026年10月に追加された新しい質問がある。「令和9年度の年調ソフトでは、パソコン版の公開は行わず、スマートフォン版のみの公開と聞きましたが」という問い(問5-59)に対し、国税庁は次のように答えている。

パソコン版の年調ソフトの利用に比して、スマートフォン版の年調ソフトの利用が増えていること等を踏まえ、令和9年度はスマートフォン版の年調ソフトのみの公開とすることを予定しております

つまり、令和9年分(2027年分)の年末調整に使う「令和9年度版」からは、Windows・macOS向けのパソコン版が配布されない。提供されるのはAndroid・iOS向けのスマートフォン版のみになる予定だ。今年のうちにこの告知を見かけた人は、来年の話だと覚えておけばいい。

この変更を自分は、国税庁の通常のお知らせページではなく、FAQのPDFを全文検索してようやく見つけた。INTERNET Watchも、PDFの62ページ目に「ひっそりと書かれており」と表現している。年末調整という、会社員のほぼ全員が毎年関わる手続きのソフトを提供方法ごと切り替える決定にしては、記者会見やお知らせページでの能動的な告知が見当たらない。では、パソコン版をやめる理由として、国税庁は何を挙げているのか。

なぜパソコン版だけをやめるのか

理由として国税庁が挙げているのは、前述の回答にある「スマートフォン版の利用が増えていること等」の一点だけだ。具体的な利用者数や比率は、FAQのどこにも示されていない。

国税庁の説明以上のことは確認できていない。パソコン版を好んで使ってきた人がどれだけいるか、年々の利用動向がどう推移してきたかという裏付けの数字は、今回の調査では見つからなかった。公表された理由はこれだけで、残るのは今まで作ったデータがどうなるかという問いだ。

パソコンのデータはスマホへ引き継げる

答えは、パソコン版で出力したデータをスマートフォン版に取り込むという形で用意されている。FAQは同じ10月の追加で、この移行方法を示している(問5-60)。

パソコン版の年調ソフトで出力した申告書データを、スマートフォン版の年調ソフトで取り込むことにより移行することができます

手順は大きく3段階になる。

  1. パソコン版の年調ソフトで、これまでどおり申告書データを出力・保存しておく
  2. スマートフォン版の年調ソフトをダウンロードする
  3. 出力しておいたデータをスマートフォン版に取り込む

取り込みの詳しい画面操作は、国税庁ホームページのマニュアルで案内するとFAQには書かれている。来年パソコン版が使えなくなったときに慌てないためには、令和8年分の申告書データを出力した状態で手元に残しておくことが前提になる。ここまでは従業員個人の対応だが、勤務先の担当者には別の確認事項が残る。

勤務先の担当者が確認しておきたいこと

パソコン版には、勤務先の担当者だけが使う「管理者メニュー」という機能もある。給与支払者の名称・法人番号・所在地を設定したXMLファイルをここで作り、各従業員に配布できる(問5-8)。配った分だけ、従業員が同じ情報を入力する手間が省ける。

この管理者メニューに相当する機能がスマートフォン版にもあるのかどうかは、今回確認した国税庁のFAQには記載がない。複数の従業員を取りまとめる立場の担当者は、来年の版が実際に配布されるタイミングで、この点が引き継がれているかどうかを確認したほうがいい。

まとめ

国税庁の年調ソフトは、令和8年分(今年)まではパソコン版・スマートフォン版の両方が使える。来年配布される令和9年度版からはスマートフォン版だけになる予定で、理由として国税庁はスマートフォン版利用の増加を挙げている。勤務先側の管理者向け機能がどうなるかは、今回確認した範囲ではまだ分からない。それでも、パソコン版で出力した申告書データはスマートフォン版に取り込んで移行できるので、今年のデータを消さずに残しておけば、来年の入力もそこから引き継げる。

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