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Bloatynosyの新版、PC購入時の体験版だけ安全に消せるようになった

Windowsの不要な設定・同梱アプリを整理する定番ツールが原点回帰で再構築。最新版はメーカー製の体験版ソフトを、必要なドライバを保護しながら削除候補として見分けられるようになった。

黒いノートパソコンのキーボードを両手で操作している手元の写真(イメージ写真)

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by Szabó Viktor on Pexels

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新しいノートパソコンを買うと、デスクトップやスタートメニューに、頼んでもいないセキュリティソフトの体験版や聞き慣れないユーティリティが並んでいることがある。消していいのか、それとも何かの大事な機能なのか、アイコンを見ただけでは判断がつかない。

Windowsの不要な設定や同梱アプリを整理する定番ツール「Bloatynosy」が、10月9日に原点回帰の新版「Origin」として作り直された(GitHub)。そこから重ねた更新のうち直近版は、こうした体験版ソフトだけを、消してはいけないドライバと区別して削除候補に挙げられるようになっている(GitHub)。何があって、今回何ができるようになったのか。

「原点回帰」とは何を指すのか

Bloatynosyという名前に見覚えがある人は、少し違和感を覚えるかもしれない。前使っていたときと、印象が違うからだ。

作者のBelim氏によると、このツールは2023年1月半ばに最初のバージョンを公開して以来、700万回以上ダウンロードされてきた(GitHub)。その間に「Winpilot」への改称や公開の一時停止をはさみながら「Bloatynosy」に戻るなど、名前と方向性が何度も変わってきた。AI機能や対話型のマスコット機能が追加されては削除され、方向性が定まらなくなっていったと、Belim氏自身がリリースノートで振り返っている(GitHub)。最後の更新は2025年1月14日のv1.0.20.522で、そこから新しいバージョンは出ていなかった(GitHub)。

0200400600日前回更新→Origin版: 633Origin版→次の更新: 11次の更新→さらに次: 5633115前回更新→Origin版Origin版→次の更新次の更新→さらに次

633日の沈黙を破って公開された新版「Origin」について、作者はリポジトリの説明文でこう書いている。「続編でも、フォークでも、バージョン12でもない」。目指したのは「うまく動いていた版に戻って、それを今度こそ丁寧に作り直すこと」だとしている(GitHub)。旧バージョンのコードはlegacy/フォルダに残されているが保守はされておらず、Originとはコードを共有していない(GitHub)。

自分がこのリリースノートを読んで引っかかったのは、機能の一覧よりもこの一文だった。方向性を見失った反省を、新機能の宣伝文句ではなく「戻す」という一言で片づけている。そして実際、Origin公開から11日でv1.01.103、そこからさらに5日でv1.02.142と、沈黙の長さに不釣り合いなほど早いペースで更新が続いた(GitHub)。では、この作り直した版は、具体的に何を新しくできるようになったのか。

体験版ソフトだけを、どうやって安全に見分けるのか

一番気になるのは、消していい体験版と、消してはいけないドライバを、このツールがどうやって区別しているかだろう。

読者も一度は、Windowsの「設定」の「アプリ」や、コントロールパネルの「プログラムと機能」を開いて、インストール済みソフトの一覧を眺めたことがあるはずだ。10月25日公開のv1.02.142が加えた「OEMデブロータ」機能は、まさにその一覧と同じ情報源を読みにいく。コントロールパネルが参照するのと同じ3つのレジストリ記録から、インストール済みの従来型デスクトッププログラムを読み取る。そのうえで、メーカーが有償で事前インストールさせた体験版と、PCの動作に必要なドライバを区別する(GitHub)。

削除候補として名前が挙がっているのは、次のようなソフトだ。

  • McAfee、Norton、Avast、AVGなどのセキュリティソフト体験版
  • WildTangent、Candy Crushなどのゲーム・エンタメ系プリインストールアプリ
  • Booking.com、ExpressVPN、Keeperなど、メーカーが提携先として入れるアプリ
  • CyberLink、Nitro PDF、WPS Officeなどのメディア・文書編集系体験版

一方、チェックボックス自体が選べない「保護対象」として除外されるのは、次のようなソフトだ。

  • Visual C++ランタイム、.NETランタイム
  • Intelのチップセットドライバ、Intel Management Engine
  • Realtek、NVIDIA、AMDの各種ドライバ

(いずれもGitHub公式リリースノートの記載による)

つまりこの機能は、普段コントロールパネルで見ている一覧と同じ情報源から、保護リストに載っている名前を除いた残りを削除候補に挙げているだけで、未知のソフトをAIが推測で判定しているわけではない。見分けの仕組み自体は、一覧同士の突き合わせというシンプルなものだ。

同じv1.02.142では、拡張機能を「プラグイン」として追加できる仕組みも加わった。プラグインの実体はテキストファイル(.ini)で、データフォルダに置くだけで読み込まれ、削除すればそれだけで撤去できる。公式リリースノートは「プラグインの中身が実行されることは一切ない」と明記しており、信頼する前にメモ帳で中身を確認できる(GitHub)。では、実際に自分のPCで試すときは、何を確認しておけばいいのか。

試すときに知っておきたいこと

操作の流れは3段階になっている。まずPCをチェックするが、この時点ではまだ何も変更されない。次に結果を一覧で確認し、消したい項目だけチェックを入れる。最後に「適用」を押すと変更が実行され、成否をまとめたレポートが表示される(GitHub)。チェックを入れない限り何も削除・変更されない設計なので、まずは1段階目のチェックだけ試して、一覧に何が挙がるかを見てから判断してもよい。

対応OSはWindows 10・11で、動作には.NET Framework 4.8が必要になる。管理者権限は必須ではないが、一部の設定変更には必要で、その場合は適用後のレポートに理由が表示される(GitHub)。ダウンロード不要の既存ソフトではなく、GitHubのReleasesから最新ビルドを取得し、書き込み可能な場所に展開してBloatynosy.exeを実行するポータブル形式だ(GitHub)。

アンインストールしたアプリは元に戻せない。再び使いたくなった場合は、Microsoft Storeかメーカー公式のインストーラーから入れ直す必要がある(GitHub)。この点は、Windowsの設定変更がレジストリの書き換えにとどまり、既定値が分かる項目なら「Restore defaults」でいつでも戻せるのとは扱いが違う。消す前に、本当に使っていないソフトかどうかを確かめておきたい。

任意機能として、選んだ設定やアプリについてAIに説明させる機能もある。既定では無効で、有効にするには利用者自身のAPIキー(Groq・OpenAI・Anthropic・OpenAI互換のいずれか)を設定する必要がある。送信されるのは選択した1項目の情報だけに限られる(GitHub)。使わなければ何も送信されない仕組みなので、まず試したいだけなら触らなくてよい。なお、記事執筆時点でのインターフェースは英語とドイツ語のみで、日本語には対応していない(GitHub)。

まとめ

Windowsのデブロートツール「Bloatynosy」は、機能追加で方向性を見失った旧版を一度手放し、633日の沈黙のあとに「うまく動いていた版へ戻す」という方針で作り直された。最新版(v1.02.142)が加えたOEMデブロータ機能は、コントロールパネルが参照するのと同じレジストリの記録を読む。そこからメーカー製の体験版ソフトだけを、必要なドライバを保護しながら削除候補として見分けられる。アンインストールは元に戻せない操作であることを踏まえたうえで、新しいPCのセットアップ時に候補の一覧を確認してみるとよさそうだ。

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