チェキのプリンターを持っていて、その場で構図を確かめずに撮る小さなカメラを使ったことがあるだろうか。撮った瞬間はうまく撮れた気がしても、あとでスマホに転送してみたら傾いていた、指が写り込んでいた。そんなすれ違いが起きるのは、そのカメラに画面が無いからだ。
Fujifilmが2026年9月15日に発表した「instax Pal 2」は、その画面を初めて搭載した。2023年発売の初代instax Palにはモニターもファインダーも無かった。2代目でようやく、撮った写真をその場で確認できるようになる。ただし、その画面を積むために、初代の代名詞だった手のひらサイズの一部を手放すことになった。
Pal 2で何が変わったか
富士フイルムのプレスリリースによると、instax Pal 2は天面に「1.30型TFTカラー液晶モニター(画素数約17万ドット)」と光学ファインダーを新たに搭載した。ダイヤルとレバーも新しく加わり、公式ページはこれを操作性とデザインを一新した点として説明している。
発売日は2026年10月9日。希望小売価格はオープンで、店頭想定価格として2万5,300円前後と複数のメディアが伝えている(マイナビニュース、とるなら)。税込表記かどうかは、どちらの記事にも明記が無い。
初代にモニターが無かったことを知らないと、この変化のありがたみは半分しか伝わらない。なぜ初代は画面を持たなかったのか、まずそこから見ていく。
初代になぜ画面が無かったのか
instax Palは、チェキのフィルムに直接プリントする普通のチェキカメラとは違う。本体にプリント機構を持たない。撮った写真はBluetoothかUSB-Cでスマホの専用アプリに送り、そこから別売りのプリンター(instax mini Linkシリーズなど)へ渡してはじめて1枚のチェキになる。
2023年の発表で、富士フイルムはこの設計の狙いをこう説明している。「プリント機能を切り離すことで、手のひらサイズのコンパクトさを実現」。プリンターという一番かさばる部品を丸ごと手放したからこそ、小さくなれた。公式仕様にある外形寸法は42.3mm×44.4mm×43.0mm(幅×高さ×奥行き)、質量は約41g。ほぼ立方体のサイズに収まっている。
画面を削ったのも、同じ割り切りの延長にある。Rentio PRESSのレビューは、スマホをリモコン代わりにした撮影について「スマホ画面で実際の写りを確認しながら撮れるので思い通りの写真が撮影できました」と書いている。裏を返せば、本体だけで構図を確かめる手段は無く、確認したければスマホと繋ぐしかなかった。
小さくするために、画面を持たない。その線引きを、Pal2はどう変えたのか。
本体はどれくらい変わったか
自分は最初、「モニターが増えた」という発表を見て、ボタンが1つ増える程度の小さな変更だと思っていた。ところがPal2の仕様ページで質量を見て、その見立てを引っ込めた。約87g。初代の約41gから、ほぼ倍になっている。
外形寸法も変わった。Pal2の仕様ページは「37.0mm×42.0mm×92.3mm(突起部除く)」と書いているが、初代のページのように、どれが幅でどれが高さかは明記していない。それでも、3辺のうちいちばん長い辺だけを比べれば、初代の44.4mmからPal2の92.3mmへ、2倍以上に伸びたことは分かる。
画面を持つ普通のデジカメに近い体験に寄せた分、初代の代名詞だった手のひらサイズは、その一部を手放した。モニターとファインダーは、タダでは付いてこなかった。
モニター以外に何が変わったのか
サイズと質量以外の仕様も、初代とPal2で並べると差がはっきりする。
| 項目 | 初代 instax Pal(2023年) | instax Pal 2(2026年) |
|---|---|---|
| モニター・ファインダー | 無し | 1.30型TFT液晶(約17万ドット)+光学ファインダー |
| 記録画素数 | 約500万画素(2560×1920) | 約1,000万画素 |
| 内蔵メモリー | 約50枚 | 約100枚 |
| 対応フォーマット | mini/SQUARE/WIDE(3種類) | フレームなし/mini/SQUARE/WIDE(4種類) |
| カラー展開 | 5色(ミルキーホワイト、パウダーピンク、ピスタチオグリーン、ラベンダーブルー、ジェムブラック) | 2色(ブラック、ホワイト) |
出典は初代が公式仕様ページと2023年の発表、Pal2が公式仕様ページと公式製品ページ。
記録画素数と内蔵メモリーはどちらも増えた。一方でカラー展開は5色から2色に絞られている。初代はパステルカラーで彩った「小さくて可愛い小物」の売り方だった。
マイナビニュースが「クラシックカメラ風」と評したPal2は、自分には、色数を絞ることで見た目の落ち着きを優先したように見える。狙う客層そのものが変わった、とまでは公式は説明していない。それでも、モニター・ファインダーを足して「ちゃんとしたカメラ」に寄せた設計と、色数を絞った判断は同じ方向を向いている。
初代とPal2どちらが向くか
instax Pal 2が向くのは、次のような人だ。
- 本体だけで構図を確認してから撮りたい人。スマホと繋がずに確認できる
- クラシックカメラのような見た目や、ダイヤル・レバーでの操作感を求める人
- 記録できる枚数(約100枚)や解像度(約1,000万画素)を初代より増やしたい人
逆に、次のような人には初代のほうが向くかもしれない。
- とにかく小さく持ち歩きたい人。Pal2は最大辺で2倍以上、質量はほぼ倍になる
- 5色の中から好みの色を選びたい人。Pal2はブラックとホワイトの2色のみ
- スマホをリモコン代わりにする撮り方に慣れていて、本体の画面を必要としない人
Pal2は2026年10月9日発売、店頭想定価格は2万5,300円前後になる。発売前のため、モニターの実際の見やすさや、大きくなった本体の持ちやすさは今回確認できていない。発売後に実機のレビューが出たら、そこで確かめたい点になる。
まとめ
- instax Pal 2は、天面に1.30型モニターと光学ファインダーを初めて搭載し、撮影前後の構図確認が本体だけでできるようになった
- 初代は「プリント機能を切り離すことで手のひらサイズを実現」した設計で、質量約41g。Pal2はモニターを積むために質量が約87gとほぼ倍になり、最大辺も44.4mmから92.3mmへ2倍以上に伸びた
- 記録画素数(約500万→約1,000万画素)、内蔵メモリー(約50枚→約100枚)、対応フォーマット(3→4種類)は増えたが、カラー展開は5色から2色に絞られた
- 発売日は2026年10月9日、店頭想定価格は2万5,300円前後
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