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サンワサプライの新型電源タップ、発火後も自動で初期消火

サンワサプライの新型電源タップは内部に消火剤入りシートを追加し、発火後の延焼まで自動で抑える。従来品の絶縁キャップ対策との違いと、向く人・向かない人を仕様から確認した。

白い電源タップに複数の充電器やケーブルが差し込まれている様子

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by Саша Алалыкин on Pexels

テレビ裏やデスク下に、電源タップを何年も差しっぱなしにしている。そのタップに「トラッキング火災予防」と書いてあれば、内部の火事はもう防げていると思っていた。

サンワサプライが2026年9月16日に発表した新型の電源タップは、この「予防」の中身を1つ増やした。従来のトラッキング火災予防タップは、火の芽を摘む対策どまりだった。新型は、それでも発火してしまった場合に向けて、内部に消火剤入りのシートを加えている。何が違うのか、仕様から確認する。

従来品は何を防いでいたのか

「トラッキング火災予防」タップが防いでいるのは、決まった1つの現象になる。差しっぱなしのプラグとコンセントの隙間にホコリが溜まり、そこに湿気を吸うと、目に見えない小さな放電が起きて発熱する。これがトラッキングと呼ばれる現象で、繰り返すと発火につながる。

サンワサプライの従来品(TAP-TSH33SWNなど)は、プラグの根元に絶縁キャップを付けて放電の起きる隙間を塞ぎ、コンセント側にはホコリ防止シャッターを備えている。製品ページにあるのはこの2つの機能で、内部で発火した場合にどうするかの記載はない。トラッキングという発火の原因そのものを起こしにくくする設計であって、発火後の対応は用意されていなかった。

この従来品の守備範囲を知ると、次の疑問が浮かぶ。絶縁キャップをすり抜けて、それでも内部で火が出た場合はどうなるのか。

発火後を防ぐ層が新しく加わった

サンワサプライの新型「火災予防タップ」シリーズは、この問いに答える形をしている。直挿しのTAP-AC3WN2-FPSと、コード付きのTAP-TSH3N2-FPSシリーズがある。内部には、消火マイクロカプセル(消火剤入り)を組み込んだ板状シリコン材のシート(厚み約1mm)を搭載した。公式ページの説明では、“タップ内部の温度上昇に反応して初期消火し、外部への延焼を抑制する”としている。

自分はこの製品名を見て、「予防」という言葉に発火後の対応まで含まれていると思い込んでいた。実際には従来品も新型も「トラッキング火災予防タップ」という同じ名前を使っている。違いは中身のほうにあり、名前だけでは見分けがつかない。

温度が上がるとカプセルが反応し、消火剤を放って酸素の供給を絶ち、内部を冷やす。この一連の動きが、絶縁キャップでは止められなかった場面を受け止める役目になる。絶縁キャップは発火そのものを防ぐための対策で、消火シートは発火してしまったあとの対策になる。新型は、この2つを1つのタップに積んだ。

消火の効果はどこまで確からしいのか

新型は、電気用品安全法(PSE)の技術基準に適合し、一般社団法人防災安全協会の「防災製品等推奨品」にも認定されている。自分はこの認定名を見て、消火効果そのものが検証されているものと早合点した。しかし同協会が審査するのは必要性・安全性・機能性・災害時の使いやすさという観点だ。消火剤がどの温度で反応し、どれだけの火をどれだけの時間で抑えられるかという数値は、プレスリリースにも製品ページにも記載がない。

サンワサプライ自身が説明しているのは「初期消火し、外部への延焼を抑制する」という設計の狙いまでで、第三者機関による燃焼試験の結果は今回確認できなかった。この製品を選ぶ理由は、絶縁キャップだけの従来品にはない層が1つ増えたことにあり、消火性能の実測値を保証するものではない。

買うなら何を確認するか

新型と従来品の違いは、次の1点に集約できる。

機能従来品(絶縁キャップのみ)新型(-FPSシリーズ)
トラッキング火災予防の絶縁キャップ
ホコリ防止シャッター
消火剤入りシートなし

見分け方は単純で、製品名の末尾に「-FPS」と付いているか、仕様欄に「消火」の記載があるかを見ればよい。

価格は直挿しのTAP-AC3WN2-FPSが税込968円、コード1mのTAP-TSH31N2-FPSが税込1,980円だ(2026-09-16確認)。コードが長くなるほど価格も上がる。3個口で、定格は15A・125V、合計1500Wまでとなる。ドライヤーや電気ケトルのような高出力の機器を複数まとめて使う場面には向かない。

もう1つ、買う前に確認したい仕様がある。

  • 使用期限は約5年(タップを交換する時期と同じ)
  • 消火機能が1度でも作動したら、その時点で交換が必要になる

つまり消火シートは繰り返し使える消火器ではなく、1度だけの保険にあたる。テレビ裏やデスク下に長期間差しっぱなしにする人には、この保険を追加する価値があるが、「これさえ付けておけば安心して使い続けられる」という意味ではない。

まとめ

「トラッキング火災予防」という同じ言葉でも、中身は従来品と新型で違う。絶縁キャップとホコリ防止シャッターだけの従来品は、発火の芽を摘む対策にとどまる。サンワサプライの新型(-FPSシリーズ)は、内部の消火剤入りシートで発火後の延焼まで抑える層を加えた。見分け方は製品名の「-FPS」表記と仕様欄の「消火」の記載で、価格は968円から。定格1500Wまでという上限と、消火機能は1度作動したら交換が必要という条件を踏まえたうえで、差しっぱなしのタップを見直す材料になる。

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