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USB-C充電の9V電池、昇圧回路で9Vを保つ設計

USB-C充電式の9V電池が出ている。ENEGONの9VCV-2は昇圧回路で放電中も9Vの定電圧を保ち、1.5時間の充電で1000回使える。同じUSB-C式でも回路の有無で電圧が変わる点を公式仕様から読み解く。

9V電池の実物の形。上面に電極端子が2つ並び、側面にはアルカリ電池には無いUSB-C充電ポートがある。本体寸法は48×26×17mm。

この記事には Amazon アソシエイトのリンクを含みます。

煙感知器が「ピッ」と電池切れの音を立てるたびに、コンビニで四角い9V電池を買い足している人は多いはずだ。最近、その9V電池をUSB-Cケーブル1本で直接充電できるモデルが増えている。見た目はいつもの9V電池とほぼ同じなのに、側面に小さな充電口が付いていて、外部の専用充電器はいらない。ただし充電式に切り替えるなら気になるのが「ちゃんと9Vが出るのか」だ。ENEGONの「9VCV-2」という製品を調べると、放電中も9Vの定電圧を保つ設計になっていた。中身と、どんな機器になら安心して使えるのかを見ていく。

中身はリチウムイオン電池

USB-C充電式の9V電池は、中身をリチウムイオン電池に置き換えている。ASCIIの記事は、比較対象のEBL製品を「リチウムイオンセルを2つ直列接続」した構成と説明している。

リチウムイオン電池は1本あたり公称約3.7V、満充電時の上限が4.2Vになる。2本を直列につなぐと、公称7.4V、満充電で8.4Vだ。EBL製品の出力が「7.4V(最大8.4V)」なのは、この2本直列の数字そのままになる。

だが、これはアルカリの9Vより低い。パッケージが「9V電池」を名乗っていても、中身が2本直列のままなら実際は7.4〜8.4Vしか出ない。ここで気になるのが、9Vをそのまま保っている製品はどう作っているのか、という点だ。

9Vを保つ仕組み

ENEGONの「9VCV-2」は、公式ページの仕様欄で出力電圧を「9 Voltage (Constant Output Voltage)」と明記している。つまり定電圧の9Vだ。リチウムイオン電池は放電が進むほど電圧が下がっていくので、セルを直列につないだだけでは放電中ずっと9Vを保てない。公式ページは内部の回路構成までは説明していないが、電圧を一定に保つ回路(いわゆる昇圧回路)を挟んでいると考えられる。

自分はここで、公式ページの容量表記を見ていて気づいたことがある。「1000mAh(9000mWh)」という2つの数字は、1000mAh×9V=9000mWhとちょうど一致する。mWhは電気量(mAh)と電圧の掛け算で決まる単位なので、この一致は「定電圧9V」が宣伝文句だけでなく、容量計算の前提としても使われている裏付けになっている。

ASCIIの記事を読むまで、USB-C充電式の9V電池はどれも似たような中身だろうと思っていた。実際には「9Vを維持するタイプ」と「7.4〜8.4Vのままのタイプ」が同じ売り場に並んでいる。

単3形の充電池(ニッケル水素)がアルカリの1.5Vより低い1.2Vなのは、知っている人も多いと思う。9V電池でも同じで、パッケージに「9V」と書いてあっても、実際に何ボルト出るかは中の設計で変わる。回路で電圧を作っているか、電池の本数だけで決まっているかの違いだ。

容量と充電にかかる時間

ENEGON公式ページによると、9VCV-2の容量は1000mAh(9000mWh)で、アルカリ電池の少なくとも2倍、ニッケル水素電池の3倍としている。USB-C(Type-C)ケーブルで2個を同時に充電でき、フル充電までは1.5時間以内、繰り返し使える回数は1000回以上と説明されている。

本体サイズは48×26×17mm、重さは1個あたり0.9oz(約26g)だと公式ページに記載がある。

容量と充電の手軽さは分かった。では、どんな機器になら使っても安心なのだろうか。

向く人と向かない機器

ENEGON公式ページの対応機器欄には、煙感知器、ワイヤレスマイク、電卓、金属探知機、マルチメーターなどが並ぶ。一方でエレキギターは、対応機器から明示的に外されている。標準放電電流100mA、最大放電電流150mAという仕様のとおり、常時大きな電流を流し続けるような高負荷機器は想定していない設計だ。

  • 向く人: 煙感知器やワイヤレスマイクのように、電池切れのたびにアルカリを買い足している人
  • 向かない人: エレキギターのエフェクターなど、公式に非対応と書かれている機器を使う人

同じ「USB-C充電式9V電池」でも、価格と出力電圧の設計は別々に決まる。ASCIIの記事が挙げていた2製品を並べると、その違いが見える。

ENEGON 9VCV-2EBL(参考)
出力電圧9V(定電圧)7.4V(最大8.4V)
価格の目安2本で約2,400円2本で約1,700円(2026-09-21時点で欠品中)

出典: ASCII、2026-09-21。価格は同記事の掲載時点の目安で、変動する。

安いほうを選ぶと、電圧の低いタイプに当たる可能性がある。価格だけでなく、商品ページの出力電圧の表記も見て選びたい。

まとめ

ENEGONの9VCV-2は、内蔵の回路によって放電中も9Vの定電圧を保つよう設計されている。USB-Cケーブル1本で外部充電器なしに、1.5時間以内でフル充電でき、1000回以上繰り返し使える。ただし標準放電電流100mA・最大放電電流150mAという仕様のとおり、エレキギターのような高負荷機器には公式に非対応と明記されている。

「USB-C充電式の9V電池」を選ぶときは、価格や見た目だけで決めない方がよい。商品ページに「Constant Output Voltage」のような定電圧の表記があるかを確認すれば、電圧不足で困る事態を避けられる。

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