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サンワサプライの新型バッテリー、940gでAC100Wも使える

サンワサプライのBTL-RDC46は500mlペットボトル大・940gのモバイルバッテリーに、家庭と同じAC100V・最大100W出力とリン酸鉄リチウム電池を積んだ。税込41,800円、機内持ち込みも可能。

手のひらに収まる黒い充電デバイスの複数のポートを写した写真

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by Pedro Paiva on Pexels

この記事には Amazon アソシエイトのリンクを含みます。

出張先のホテルで、ノートPCの充電器を挿そうとしたらコンセントが1つしか無くて埋まっていた。車中泊で扇風機を使いたいのに、手元にあるのはUSBの口しか無いモバイルバッテリーだけ。どちらも、AC100V専用の家電を動かしたい場面でモバイルバッテリーが役に立たない、という同じ壁にぶつかっている。

サンワサプライが2026年9月24日に発売した「BTL-RDC46」は、500mlペットボトルほどの大きさ・940gの本体を持つ。ここに、家庭の壁と同じAC100V・最大100Wを取り出せる差し込み口を1つ積んでいる。USBの口しか無いのが普通のモバイルバッテリーに、コンセントそのものが付いた形になるが、この100Wで実際に何が動いて何が動かないのかは、もう一段仕組みを見ないと分からない。

USB出力ではAC家電が動かない理由

スマートフォンやノートPCの多くはUSBやUSB-C(直流5〜20V程度)で充電できる。一方、ノートPCの純正ACアダプタや扇風機、コンセント形状の充電器の多くはAC100V(交流100ボルト)を前提に作られている。モバイルバッテリーが持つUSB出力はこの電圧・方式と別物なので、そのままでは差し込めない。

この壁を越えるには、バッテリーの直流をAC100Vへ変換する回路(インバーター)を内蔵し、コンセント形状の差し込み口を用意する必要がある。これが一般に「ポータブル電源」と呼ばれる製品の条件で、たいてい1〜3kg以上の大きさになる。BTL-RDC46は、この回路を「モバイルバッテリー」の分類で売られる940gの本体に収めた。

BTL-RDC46が積んだもの

公式仕様によると、BTL-RDC46は容量76.8Wh(12.8V/6,000mAh)のリン酸鉄リチウムイオン電池を積む。サイズはW203×D74×H91mm、重さは940g。この中に、AC100V・最大100W出力のコンセントを1口、USB Type-C(最大65W、PD対応)を2口、USB Type-Aを4口備える(サンワサプライ公式)。価格は税込41,800円(2026-09-26時点、サンワサプライ公式サイト)。

この76.8Whという容量について、サンワサプライは公式ページで説明を加えている。「規定容量160Wh以下」に当たるため、航空機の機内持ち込みに対応するという内容だ(サンワサプライ公式プレスリリース)。リチウムイオン電池の持ち込み規定は航空会社ごとに細部が異なるため、出張で使う場合は搭乗する便の規定もあわせて確認したほうがいい。

ポート最大出力備考
ACコンセント100W疑似正弦波、100V/60Hz、1ポート
USB Type-C ×265W(PD対応)2ポート合計を含めUSB全体で最大98W
USB Type-A ×45V/3A以下—

出力の内訳を見ると、AC・USB-C・USB-Aの3系統をこの1台でまかなえると分かる。500mlペットボトルほどの大きさと940gの重さのまま、家庭のコンセントと同じAC100V・最大100Wを取り出せる、というのがこの製品の中心にある。

モバイルバッテリーの棚に並んでいる製品に、家庭の壁と同じ差し込み口がそのまま付いているとは、仕様を読むまで思わなかった。普段「AC出力が要るならポータブル電源」と分けて考えていたので、この2つの機能が940gという普通のモバイルバッテリーの重さの中に同居している点に驚いた。

電池にリン酸鉄リチウムイオンを使っているのは、サンワサプライが「高い安全性」を理由に挙げている構成だ(サンワサプライ公式プレスリリース)。過充電・過放電を防ぐBMS、温度センサー、内部温度が上がると自動で動く静音ファンも備え、発火や爆発が起きにくい方式を選んでいるとメーカーは説明している。約1,000回の充放電サイクルにも耐えるとされるが、リン酸鉄リチウムとしてはとくに長い部類ではない。自分には、この電池の採用は寿命の長さより安全性を重視した選択に見える。

AC100Wという数字が保証しないもの

100Wという数字だけを見て、「100W以下の家電ならどれでも動く」と思いかけた。だが、もう1つ確認すべき条件がある。BTL-RDC46のAC出力は「疑似正弦波」という方式だ。

家庭のコンセントから来る電気は、なめらかに上下する「正弦波」という波形をしている。これに対し疑似正弦波(修正正弦波)は、この波形を角ばった形で近似したものだ。製造コストを抑えられる一方、なめらかさでは正弦波に劣る(EcoFlow公式ブログ)。

同ブログは、疑似正弦波でも動く家電と、向かない家電を次のように分けている。

  • 問題なく動きやすい: 白熱電球、ホットプレート、シンプルな電子レンジ・炊飯器
  • 動作が不安定になったり使えなかったりする場合がある: 精密機器、高感度な音響機器、マイコンで温度や風量を細かく制御するタイプの家電(高機能な炊飯器・電気ポット、一部の扇風機や電気毛布など)

つまり、AC100Wという出力は「差し込み口の形と電圧が合う」ことまでは保証するが、「その家電が正常に動く」ことまでは保証しない。BTL-RDC46で動かしたい家電がある場合は、その家電がインバーターの方式に指定がないか確認したほうがいい。

向く人・向かない人

  • 向く人: 出張先や車中泊でノートPCの純正アダプタ、LED照明、扇風機など、AC100Vのシンプルな電源を必要とする家電を使いたい人。荷物を増やさずコンセント自体を持ち歩きたい人
  • 向かない人: 電子レンジ本体やドライヤーの強モードなど、消費電力が100Wを大きく超える家電を動かしたい人(出力の上限を超えるため)。高機能な炊飯器・電気ポットのように、マイコン制御が細かく疑似正弦波で動作が不安定になりうる家電を使いたい人

まとめ

BTL-RDC46は、500mlペットボトルほどの大きさ・940gという普通のモバイルバッテリーの携帯性を保っている。そのまま、AC100V・最大100Wのコンセントと、USB PD65W×2、USB-A×4を1台に集約した。リン酸鉄リチウムイオン電池による安全機構と、容量76.8Whによる機内持ち込み対応も備える。

ただしAC出力は疑似正弦波であるため、100W以下ならどんな家電でも動くわけではない。マイコン制御が細かい家電では動作が不安定になる場合があるという条件を踏まえたうえで、コンセントの無い場所でシンプルな家電を動かしたい場面に向いている。

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