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TJライナー、顔認証だけで乗車できるように

東武東上線の池袋発TJライナーが11月5日から顔認証乗車に対応。スマホのQRコード提示が不要になり、登録した顔は鉄道以外にも使える共通基盤につながる。

赤い走査線が顔の輪郭に沿って投影されている、生体認証をイメージした写真

イメージ写真 記事の内容を撮影したものではありません。Photo by cottonbro studio on Pexels

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池袋駅のTJライナー乗車口で、傘とバッグを抱えながら片手でスマートフォンを探り、座席指定券のQRコードを読み取り機にかざす。そんな光景が、11月5日から変わる。

東武鉄道は2026年10月29日、東上線池袋駅発(下り方面行き)のTJライナー全列車を対象に、顔認証だけで乗車できるサービスを11月5日から始めると発表した。乗車口に設置したタブレット端末に顔を向けるだけで、座席指定券の確認が済む。スマートフォンを取り出す動作そのものがいらなくなる。

何をすれば顔認証で乗れるのか

現在、池袋駅のTJライナー乗車口では、利用者がスマートフォンなどで二次元コードを表示し、それを端末が読み取ることで座席指定券を確認している。11月5日からは、この読み取りの手前に顔認証という選択肢が加わる。

使うために必要な手続きは1つだけだ。

  1. 東武のチケットレスサービス「トブチケ!」でTJライナーの座席指定券を購入する
  2. 購入時に入力した「TOBU POINT ID」を、生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」の会員ページに登録する
  3. 乗車時間になったら、乗車口のタブレット端末に顔を向ける

登録は1度で済む。すでに購入済みの座席指定券にもそのまま適用されるので、乗車のたびに何かを設定し直す必要はない。

対象は池袋駅発の下り方面行きに限られる。上り列車や他区間のTJライナーについて、プレスリリースに記載はない。登録を済ませても、使えるのは当面この区間だけだと考えたほうがよい。

顔認証の正体は何なのか

ここで乗車口の端末がしているのは、QRコードの代わりに顔を読み取ることだけではない。使っているのは「SAKULaLa」という、東武鉄道が日立製作所と共同で運営する生体認証の共通プラットフォームだ。

Suica やPASMOのようなICカードは、1枚登録しておけば改札・コンビニ・自販機など異なる場所で使い回せる。SAKULaLaは、同じ発想をカードではなく顔に適用したものにあたる。あらかじめ顔の情報を登録しておけば、対応する場所でその情報を呼び出して本人確認や決済に使える。

東武の駅ではすでに、顔認証に対応した改札機が稼働している。対応するのは東武日光線・東武宇都宮線の全駅、東上線の池袋駅北改札口と上板橋駅、アーバンパークラインの船橋駅と馬込沢駅だ。こちらは交通系ICカードの定期券と紐づける登録で、利用料はかからない。

同じSAKULaLaという基盤の上に、目的が異なる2つの登録がある。どちらに登録したかで、使える場面が変わる。

登録紐づける情報使える場面
改札向け(定期券連携)交通系ICカードの定期券番号対応駅の顔認証改札
TJライナー向け(TOBU POINT ID連携)トブチケ!購入時のTOBU POINT ID池袋駅発(下り方面行き)のTJライナー乗車口

同じアカウントでも、片方を登録しただけではもう片方は使えない。改札も顔パスにしたいなら、定期券の登録を別に済ませる必要がある。

どこまで広がっている仕組みなのか

自分はプレスリリースを読み始めた時点では、これを「TJライナーの改札がスマホ提示から顔認証に変わるだけの話」だと思っていた。だが参考情報の節まで読むと、見え方が変わった。

SAKULaLaは2024年4月のサービス開始から2026年10月時点で、すでに約24,000人が登録している。使える場所も鉄道の改札だけではない。プレスリリースは「鉄道改札のほか決済やポイント付与、本人確認、ホテルのチェックイン、オフィス・スポーツクラブの入退館など幅広い場面で利用いただけます」としている。

この広がりを裏付ける動きも、サービス開始に合わせて出ている。東武は11月1日から2027年3月31日まで、東武百貨店池袋本店の地下1階に「SAKULaLa」の展示・体験コーナーを初めて設ける。スーパーのフルセルフレジやホテルのセルフチェックイン機を実際に体験でき、登録済みの人はその場で商品を購入できるコーナーもある。

TJライナーに乗るために登録した顔は、同じ建物の地下のレジや受付でも使われている。1本の乗車券のために登録したつもりが、実際にはもっと広い範囲で使い回せる共通IDを手に入れることになる。

なお、撮影した顔画像の扱いについては、駅の顔認証改札で「撮影した顔画像と特徴量データは保存されず、認証後すぐに削除されます」と説明されている。これはSAKULaLaの顔認証改札についての記載で、TJライナーの乗車口端末について東武が同じ扱いを明記しているわけではない。ただし同じ基盤を使っている以上、参考にはなる情報だ。

登録して試すときに知っておきたいこと

サービス開始を記念して、2026年12月25日までに1度でも顔認証乗車を利用すると、TOBU POINTが500ポイント進呈される。登録した当日に使わなくても、期限内に1回使えば条件を満たす。

本人確認書類の提出が必要かどうかや、TJライナー向け登録そのものに利用料がかかるかどうかは、東武の公式発表に記載がない。駅の顔認証改札(定期券連携)は「定期券代のほかに、別途利用料はかかりません」と明記されているが、TJライナー向けの登録にこの記述はない。同じ条件だと決めつけず、公式サイトで確認してから登録するのがよい。

まとめ

11月5日から、池袋駅発(下り方面行き)のTJライナーはスマートフォンを取り出さず、顔認証だけで乗車できるようになる。必要なのは、トブチケ!の座席指定券購入に使うTOBU POINT IDを、SAKULaLaの会員ページに1度登録しておくことだけだ。この登録は東武と日立が共同運営する生体認証基盤「SAKULaLa」に基づく。鉄道の改札だけでなく、スーパーのセルフレジやホテルのチェックインにも使われている仕組みだ。1つの座席指定券のために登録したつもりが、気づけば鉄道の外でも使える顔のIDを持つことになる。

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