コンビニのレジでAndroidスマホを「ピッ」とかざして会計を済ませている人が、楽天ペイのアプリに「タッチ決済サービス終了」という通知を見つけて手を止める。いつまで使えるのか、今後はどうすればいいのか。答えを探すと、2026年10月28日に始まったばかりの乗り換え先が見つかる。ただしその先には、同じ「タッチ」でも中身が違う決済方式が待っている。
楽天ペイのタッチ決済は2月ごろ終了
終わるのは、Android版「楽天ペイ」アプリから設定する「楽天カードタッチ決済」というサービスだ。Visa・Mastercardブランドの楽天カードを登録して使う方式になる。楽天ペイ公式のお知らせによれば、新規の設定受付はすでに2026年9月30日13時で締め切られている。
今まさに使っている人は、慌てる必要はない。同じお知らせに「本サービス終了に伴い、楽天ペイアプリにおけるタッチ決済機能はご利用いただけなくなります」とある一方、終了までは引き続き使えると案内されている。終了時期は2027年1月中旬〜2月中旬ごろで、具体的な日付はまだ確定していない。確定し次第、お知らせとメールで案内されるという。iPhoneのApple Payは今回の対象外で、変わらず使える。
猶予はあるとはいえ、いずれ使えなくなるのは確かだ。次に気になるのは、終わったあとどうすればタッチ決済を続けられるかになる。
Google Payは10月28日開始
その答えが、2026年10月28日に用意された。同じ楽天ペイ公式のお知らせに2026年10月29日付で追記された内容によれば、この日からGoogle Payのタッチ決済が使えるようになっている。Google Payは、QUICPayマークのある店舗で引き続き利用できると書かれている。
手元のAndroidスマホにGoogle Payアプリを入れて楽天カードを登録すれば、これまでコンビニでかざしていたのと同じようにレジで会計できる。案内の趣旨を一言でいえば、サービスの窓口が変わるだけで、やることは同じ。そう読めば、ひとまず安心していい話に見える。
ここで自分は一度、読み違えそうになった。「楽天カードタッチ決済」から「Google Payのタッチ決済」への切り替えという言葉だけを見ると、単に窓口が変わるだけの引っ越しに思えたからだ。実際に過去の仕様を調べ直すと、そう単純ではないと分かった。
実は「タッチ決済」の中身が変わる
スマホの設定アプリを開くと、「NFC」の項目とは別に「おサイフケータイ」という項目が並んでいることがある。この2つは別の仕組みだ。終わるサービスと乗り換え先のサービスは、まさにこの2つに分かれる。
旧方式はFeliCaが要らなかった
2022年のITmediaの報道によれば、Android版「楽天ペイ」の「楽天カードタッチ決済」は2022年10月4日に始まったサービスだ。必要なのはNFC Type A/B対応のAndroidスマートフォンと、Visa・Mastercardブランドの楽天カードだった。これはVisaやMastercardが国際的に使っているタッチ決済(EMVコンタクトレス)の方式になる。おサイフケータイの機能(FeliCa)を積んでいないスマホでも使えるのが特徴だ。ITmediaの解説記事によれば、NFCとHCE(Host Card Emulation)に対応してさえいれば利用できた。
乗り換え先はFeliCaが前提になる
一方、乗り換え先として案内されているQUICPayは別物だ。同じITmediaの解説記事は、QUICPay+を使うには「おサイフケータイ」対応のAndroidスマホが必要だとしている。FeliCaという方式を使う決済で、FeliCaを積んでいない機種では成立しない。
つまり、終わるサービスと乗り換え先のサービスでは、スマホの中で動いている通信方式そのものが入れ替わる。見た目の「かざす」という動作は同じでも、裏側の仕組みは別物に置き換わっている。
次の表に、確認できた範囲の違いをまとめた。
| 比較軸 | 楽天カードタッチ決済(終了予定) | Google PayのQUICPay(乗り換え先) |
|---|---|---|
| 通信方式 | EMVコンタクトレス | FeliCa |
| 必要なスマホの条件 | NFC・HCE対応(FeliCa不要) | FeliCa(おサイフケータイ)対応が前提 |
| 提供開始 | 2022年10月4日 | 2026年10月28日 |
| 新規受付の状況 | 2026年9月30日13時で終了 | 受付中 |
この表から分かるのは、今回の「移行」が単なる窓口の付け替えではなく、使う技術そのものの切り替えだという点だ。
この記事が当てはまるのは、FeliCa(おサイフケータイ)に対応したAndroidスマートフォンを使っている人になる。FeliCaに対応していない機種では、QUICPayへの切り替え自体ができない。海外向けに作られたSIMフリースマホなどでFeliCaを搭載しないモデルは珍しくなく、該当する人は移行後にタッチ決済そのものを失うことになる。手元の端末がFeliCaに対応しているかどうかは、設定アプリの中に「おサイフケータイ」の項目があるかどうかで見分けられる。
何をすればいいか
今すぐ困っている状態でなくても、終了日が確定する前に準備しておくと迷わずに済む。
- 手元のAndroidスマホが、FeliCa(おサイフケータイ)に対応しているか確認する。対応していれば、設定アプリの中に「おサイフケータイ」の項目がある
- 対応している場合は、Google Payアプリをインストールし、楽天カードを登録する
- 登録後は、QUICPayマークのある店舗でこれまでと同じようにスマホをかざして支払う
- 対応していない場合は、FeliCa非搭載であることを前提に、現金やカード本体のタッチ決済など別の支払い方法を確認しておく
設定自体は、Google Payアプリにカードを登録するだけで終わる。手間がかかるのは、むしろ自分のスマホがFeliCaに対応しているかを確かめる最初の1歩の方だ。
まとめ
Android版「楽天ペイ」の「楽天カードタッチ決済」は2027年1〜2月ごろに終了予定で、新規受付はすでに締め切られている。乗り換え先のGoogle Payのタッチ決済は2026年10月28日から使えるようになっており、QUICPayマークのある店舗で引き続きタッチ決済を続けられる。ただし旧方式のEMVコンタクトレスと違い、QUICPayはFeliCa対応のAndroidスマホが前提になる。手元の端末がおサイフケータイに対応しているかを確認してから切り替えるのが安全だ。
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