スマートフォンの充電が減ってきた。近くでコーヒーを買えて、しかも充電もできる店を探したい。こういうとき、「カフェ 充電」で検索して結果を眺め、Wi-Fiの有無が分からなければ店名で再検索、というやり直しを何度もした経験がある人は多いはずだ。
Googleマップには今、この条件を一度にまとめて自然な言葉で聞ける機能がある。Google公式ブログによると、「マップに相談(Ask Maps)」は2026年8月7日付で日本での提供を開始した会話型の検索機能だ。英語圏では同年3月に先行公開されており、日本向けには後述する個人の予定を踏まえた提案機能なども追加されている。
条件を一つずつ検索し直さずに済む
普段のキーワード検索なら、まず「カフェ 充電」で検索する。結果に並んだ店のページを一つずつ開いてWi-Fiの有無を確かめ、さらに混雑状況が分からなければ別の検索をやり直す。条件が増えるほど、この往復が増えていく。
公式ブログが挙げる例はこうだ。「スマートフォンの充電が切れそう。長い列に並ばずにコーヒーが買えて、充電ができる場所を教えて」と一度に尋ねると、その3条件を満たす店の候補が返ってくる。「今夜使える照明付きの公営テニスコートを探して」のように、キーワード検索では言葉にしにくい条件も、話しかけるそのままの形で聞ける。
これができる土台を、公式ブログは「Geminiとの連携」と説明している。マップに相談は生成AIのGeminiモデルと、Googleマップが持つ5億人以上の投稿者によるクチコミ、3億以上の場所の情報を組み合わせているという。キーワード検索は、店名やジャンルなど登録された項目を突き合わせる仕組みのため、「行列が少ない」のような数値化されていない条件は苦手だ。マップに相談では、質問文を一つずつのキーワードに分解するのではなく、文全体の意図をGeminiが読み取り、条件に合う候補をマップのデータから絞り込む。条件に合う候補を探す作業を、利用者の代わりにAIが引き受ける格好になる。
旅先での使い方も公式ブログに例がある。米国旅行でグランドキャニオン方面へ向かう道中、「おすすめのスポットは?」と尋ねたとする。すると、ルート案内や到着予定時刻に加えて、隠れたハイキングコースや無料入場チケットの入手方法まで返ってくるという。地元の事情に詳しい人に聞いたときのような答えが来るわけだ。次は、この「知人に聞く感覚」がどこまで踏み込んでくるのかという疑問が浮かぶ。
Gmail連携で何が変わるのか
マップに相談には、Gmailと連携して使う「パーソナル インテリジェンス」という機能もある。これをオンにすると、フライトの予定やレストランの予約情報を自動的に読み取り、利用者が改めて説明しなくても、それを踏まえた提案をしてくる。
公式ブログに載っている例が分かりやすい。旅行中に「明日のフライトまで、ホテルの近くで数時間過ごすためのアイデアを教えて」と尋ねたとする。すると、Gmailに入っているホテルの予約情報をもとに近隣のおすすめスポットが示される。さらに、空港へ向かうべき時間の目安まで一緒に出てくるという。
自分はこの例を読んで、検索や地図アプリは「自分で条件を全部入力しないと欲しい答えが出ない」ものだと思い込んでいたことに気づいた。フライトの時刻を自分で入力していないのに、そこから逆算した提案まで返ってくる。この設計は、キーワード検索の延長では説明がつかない。履歴設定をオンにしていれば過去の会話も記憶される。「シアトル旅行に提案してくれたアクティビティを教えて」のように、以前の相談の続きから話を再開することもできる。
ただし、この連携は読者が自分で選べる任意機能だ。Gmail連携は既定でオフになっており、利用するかどうかは利用者が選ぶ(公式ブログ)。Googleカレンダーなど他のアプリへの対応は、公式ブログの時点では「今後」の予定とされ、まだ実装されていない。
マップに相談が参照する情報源と、それぞれで分かることを整理すると次のようになる。
| 情報源 | 分かること | 公式ブログの具体例 |
|---|---|---|
| マップのクチコミ・場所情報 | 条件に合う店や施設の候補 | 充電とWi-Fiがあり行列の少ないカフェ |
| Gmail(パーソナル インテリジェンス、既定オフ) | 自分の予定を踏まえた提案 | ホテル予約を基にした、空き時間の過ごし方と空港へ向かう時間の目安 |
| リアルタイム情報 | 今の交通・混雑・遅延の状況 | 通勤路の道路工事や事故、バス・電車の遅延(分単位) |
表のとおり、マップに相談は「場所を探す」「自分の予定に合わせる」「今の状況を確認する」という3種類の問いに、同じ対話の中でまとめて答えられるように作られている。リアルタイム情報の例として、オーストラリア旅行で「オペラハウスの景色を楽しみながらタロンガ動物園に行けるフェリーはある?」と尋ねる場面が公式ブログに載っている。この場合、利用可能な選択肢が一覧で表示されるという。これだけの機能が、自分の端末で今すぐ試せるのかが次の疑問になる。
今はどこで使えるのか
マップに相談は日本でも使えるようになっている。ただしGoogle公式ブログは「本日から数週間かけて順次提供」と説明しており、発表日の時点で全利用者に一斉に届いているわけではない。
- 提供地域: 日本(2026年8月7日発表、順次展開)。英語圏では同年3月に先行公開
- 料金: 通常のGoogleマップアプリに含まれる機能で、公式ブログに追加料金の記載はない
- 使い方: Googleマップアプリの「マップに相談」ボタンからチャット画面を開き、話しかけるように質問を入力する
- 対応端末: Android・iOSの両方でGemini連携のマップ機能が使えると複数の海外メディアが伝えているが、日本語の公式ヘルプでの明記は確認できていない
- 画面の違い: ITmediaによると、通常サイズの画面ではチャット画面が大半を占め、地図と答えを行き来して見る必要があるが、画面の大きいフォルダブル機種では地図とチャットを並べて表示できる
画面の違いは、答えの中身ではなく読みやすさの差だ。通常サイズの端末でも、チャットを閉じれば提案先の地図がそのまま表示されるので、機能そのものが使えないわけではない。
この記事が当てはまるのは、日本でGoogleマップを使っている人になる。ランドマーク案内やLens with Geminiといった関連機能は、執筆時点では米国限定とする報道があり、日本ではまだ対象外とみられる。Gmail連携を試す場合は、まず既定でオフになっていることを確認したうえで、自分の予定をどこまでマップに読ませたいかを決めてからオンにするとよい。
まとめ
Googleマップの「マップに相談」は、条件を一つずつキーワードで絞り込む代わりに、自然な言葉でまとめて相談できる機能として2026年8月から日本でも使える。Gmail連携(パーソナル インテリジェンス)をオンにすれば、フライトやホテルの予定を自分で説明しなくても、それを踏まえた提案が返ってくる。この連携は既定でオフの選択式で、対応状況は今も広がっている途中だ。次に行き先に迷ったときは、キーワードを変えて検索し直す前に、条件をそのまま話しかけてみる価値がある。
コメント
気づきや感想をどうぞ記事への補足や、読んで考えたことをお寄せください。個人情報や、他の人を傷つける内容の投稿はお控えください。
投稿にはGoogleログインが必要です。
Googleでログイン投稿にはGoogleアカウントの表示名が公開されます。メールアドレスは取得・公開しません。
コメントを読み込んでいます…