「防水だから」と思ってスマホを海に持ち込んだら壊れた、という投稿が2026年9月にTogetterで話題になった。投稿によると、素潜り中に浸水が起き、5,700件以上の「いいね」がついた。防水とうたうスマホが、なぜ海で壊れることがあるのか。答えを先に言うと、一般的な防水試験が想定しているのは真水で、海水は想定に入っていないことが多い。京セラのタフネススマホ「TORQUE G07」(型番KYG06、au専売)は、その差を埋めるために、防水等級とは別に、海水に沈める試験の結果を「耐海水」として公表している機種だ。
海で使うなら海水への強さを見る
多くのスマートフォンが載せている防水性能は、IPX5やIPX8のような等級で表記される。たとえば近年のiPhoneが満たすIP68は、Apple公式サポートによれば「最大水深6mで最長30分」の水没に耐える基準だ。
ただしApple自身、この試験に使う水の種類は明記していない。スマホの防水を解説する「暮らしのヒント」は「テストに使われるのは基本的に真水です」と説明する。海水は塩分による金属部分のサビ・腐食を招くため「基本的に避けたほうがよい」ともまとめている。暮らしのヒント ITmediaも、防水性能を持つスマートフォン全般について「濃い塩分や汗、アルコール、コーヒー飲料など特定の液体での損傷は保証対象外」になりうると指摘している。ITmedia つまり等級が示す深さや時間の数字は真水での試験が前提で、海水にどこまで耐えるかは等級だけでは分からない。
TORQUE G07は海水約5mで試験
では、海水を想定したスマホは存在するのか。京セラの「TORQUE G07」の製品ページには、IPX5/IPX8/IPX9という防水等級とは別に、「耐海水」という項目が独立して並んでいる。記載によれば「日本沿岸部を想定した海水で、水深約5.0mに約60分間沈める試験」をクリアしたという。海水そのものを使い、深さと時間を具体的な数字で示している。
G07では、この基準を前モデルから大きく引き上げた。前モデル「TORQUE G06」の耐海水試験は水深約2.0mで、G07は「水深約5.0mの水圧に耐える新たな防水部品を採用」し、深さの基準を2.5倍に伸ばしている。
真水と海水、深さと時間がどう違うかを並べると、京セラが海水での試験を防水等級とは別の項目にした理由が見えてくる。
| 対象 | 想定する水 | 深さ | 時間 |
|---|---|---|---|
| 一般的なIP68表記(iPhone等) | 真水(メーカーは水の種類を明記せず) | 最大6.0m | 最長30分 |
| TORQUE G06(前モデル) | 海水(日本沿岸部を想定) | 約2.0m | 約60分 |
| TORQUE G07(現行) | 海水(日本沿岸部を想定) | 約5.0m | 約60分 |
IP68の「6m」とTORQUE G07の「5m」は、使う水の前提が違う数字だ。TORQUE G07は海水という条件そのものを試験に持ち込み、その深さを前モデルの2.5倍に伸ばした。
海でスマホを使う人に向く
京セラの導入事例では、北海道・留萌市で海上監視業務にあたる「ヤットマリンスクール」がTORQUE系列の端末を使っている。代表の米安哲士氏は「海上監視ではボートに乗りながら活動するため、波をかぶるのは当たり前という状況です」と話す。そのうえで「TORQUE®は耐海水仕様のため、海水を全く気にせず、劣化や故障のストレスもなく使用できます」と評価している。海や水辺で日常的に働く人、ダイビングやサーフィンで海にスマホを持ち込みたい人には、この海水での試験結果が選ぶ理由になる。
一方で、日常使いのメイン機として選ぶには重さ約243g・厚さ約14.6mmとかさばる。auが2026年2月の発表時に案内した価格は13万1,800円(税込、au専売、2026-09-14確認)。ケータイ WatchによるとMNP時の実質負担額は4万1,800円からになる。海に触れる機会が少ない人には、この重さと価格に見合う場面が少ない。
取扱説明書の手入れを守って使う
TORQUE G07のauオンラインマニュアルは、防水性能を発揮するための取り扱いを示している。そのうえで「すべてのご使用状況について保証するものではありません」「水濡れによる故障と判明した場合、保証対象外となります」とも書いている。
同じマニュアルは「雨の中や水滴がついたままで背面カバーの取り付け/取り外し、USBカバーの開閉は行わないでください」とも注意している。こうした手入れと取り扱いを守って使えば、耐海水の性能を海で生かせる。
まとめ
海でも使えるスマホを探すなら、防水等級に加えて海水での試験結果を見るとよい。IPX8のような等級は主に真水を前提にした目安で、海水への強さは別の表記で示される。京セラのTORQUE G07は、海水に水深5.0m・60分沈める試験の結果を公表し、前モデルの約2.0mから深さを2.5倍に伸ばした機種だ。濡れたままカバーを開閉しないといった手入れを守れば、波をかぶる海の仕事やマリンレジャーにも持ち出せる。
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