Overwatchのランクで「タンク1・ダメージ2・サポート2」を毎回強制されるのに、Apex Legendsの野良スクワッドでは味方3人が全員アサルトクラスでも誰も止められない。この差に引っかかったことがある人は多いはずだ。ちょうど2026年2月10日、Overwatchの新シーズン「Reign of Talon」で「サブロール」という新しい分類が加わった。名前だけ見るとロールと同じく編成を縛りそうだが、サブロールは編成を自由にしたまま、ヒーローの得意分野に合わせたパッシブ効果を付ける分類だ。この形はApex Legendsのクラスと同じだ。
ロールキューはキュー前に編成を決める
Overwatchのロールキューは、2019年9月1日にシーズン18から導入された仕組みだ。Blizzardは当時の発表で「試合の公平さと楽しさを保ち、チームプレイを促す環境をつくるため」と説明している(Blizzard)。強制の仕方は単純で、次の3段階で決まる。
- プレイヤーはキューに入る前に、タンク・ダメージ・サポートのうち希望するロールを選ぶ
- マッチメイカーは、各チームがタンク1・ダメージ2・サポート2になるよう組み合わせてマッチングする
- 試合が始まると、そのロールに属するヒーローしか選べない
Overwatch 2で6人から5人へ人数が減った後も、この1-2-2という比率そのものは変わっていない。つまりロールキューは、キューに並ぶ時点で「誰が何をやるか」を先に決める仕組みだ。
サブロールはパッシブを配る分類
ここで今回のきっかけになったサブロールが出てくる。2026年2月10日、Reign of Talon Season 1「Conquest」でヒーローの分類が細分化された。内訳はタンク3種(Bruiser・Initiator・Stalwart)、ダメージ4種(Sharpshooter・Flanker・Specialist・Recon)、サポート3種(Tactician・Medic・Survivor)で計10種になる。
以前は「タンクなら全員同じロールパッシブ」だったところを、ヒーローごとの得意分野に合わせて分ける形に変えた。たとえばダメージの中でも、奇襲役のFlankerは回復パックからの回復量が増える。遠距離狙撃役のSharpshooterは、クリティカルヒットで機動アビリティのクールダウンが短くなる(Esports.gg、Dexerto)。
では、サブロールもロールキューと同じようにキューに入る条件になるのか。公式発表とそれを報じた複数の媒体によれば、プレイヤーはこれまでどおりタンク・ダメージ・サポートという3つの外側のロールを選んでキューに入り、試合中にどのヒーローを使うかでサブロールのパッシブが自動的に付いてくる。Flankerを2人並べるのも、Sharpshooterを入れずに組むのも、チームの自由だ(Blizzard)。
サブロールは、タンク・ダメージ・サポートという既存の枠の中でヒーローをさらに分けている。ロールキューが編成の大枠を決め、その内側でサブロールが得意分野ごとの恩恵を配る、という2段の構造だ。
Apexのクラスもパッシブを配る分類
編成を縛らずに恩恵を配る分類は、Apex Legendsにもある。Apex Legendsは Season 16「Revelry」(パッチノート公開2023年2月10日、シーズン開始2月14日)で、既存の5クラス(Assault・Skirmisher・Recon・Support・Controller)にクラス固有のパッシブパークを追加した。
恩恵の中身はクラスごとに違う。Assaultは弾薬の追加スタックとレア弾薬庫の透視、Supportは補給ボックスの透視と期限切れリスポーンバナーのクラフト、Controllerはリングコンソールでの次の安全地帯確認、という具合だ(Shacknews、Dot Esports)。
クラスパークも、キューへの参加条件にはなっていない。Apex Legendsのスクワッドにあるルールは、同じレジェンドを2人以上が選べないというものだ。1番手に選んだプレイヤーは好きなレジェンドを選べ、2番手以降は先に選ばれたレジェンドを除いて選ぶ、という個体単位の重複禁止がその内容で、複数のプレイヤー報告・攻略記事で一致している。違うレジェンドなら、同じAssaultクラスを3人で組むこともできる。
つまりApex Legendsのクラスも、Overwatchのサブロールと同じく、編成を自由にしたままパッシブが付く分類だ。この比較は2026年8月開始のSeason 30時点のもので、Respawnは2027年初頭のSeason 32でクラス制度を大きく作り直すと予告している(GameRiv)。
キューを縛る分類と縛らない分類
ここまでの3つの分類を、キューへの参加条件になっているかという軸で並べると、違いがはっきりする。
| 分類 | 導入時期 | 選択の自由度 | パッシブの有無 | キューへの参加条件になるか |
|---|---|---|---|---|
| Overwatchのロールキュー(タンク/ダメージ/サポート) | 2019年9月 | ヒーロー選択が所属ロール内に制限される | ロールごとの恩恵あり | なる(1-2-2の比率を強制) |
| Overwatchのサブロール(Bruiser、Flankerなど10種) | 2026年2月 | ロールキューで選んだ枠の中で自由 | サブロールごとの恩恵あり | ならない |
| Apex Legendsのクラス(Assault、Supportなど5種) | 2023年2月(パーク追加) | レジェンド単位の重複禁止以外は自由 | クラスごとの恩恵あり | ならない |
並べると、キューの参加条件になっているのはロールキューという外側の枠で、サブロールとApexのクラスは、編成とは別に得意分野ごとの恩恵を配る役を担っている。
Overwatchにはロールキューを使わない「オープンキュー」という競技モードもあり、そちらでは1-2-2という外枠も外れて、編成を自由に組める。
自分は「クラスやロールという名前が付いていれば、そのゲームは編成を制限しているはずだ」と思っていた。調べて面白かったのは、Overwatch自身の中に、縛る仕組みと縛らない仕組みが新しく並んだことだ。ロールキューとサブロールが、同じゲームの同じ画面の中で役割を分け合っている。
公平さか自由度かで設計を選ぶ
待機時間や試合の公平さを最優先するなら、ロールキューのような強制のほうが分かりやすい。誰が何をやるかが最初に決まっているので、極端な編成による理不尽な負けを減らせる。一方、プレイヤーが自由に組み合わせを試したいなら、サブロールやApex Legendsのクラスのような非強制のほうが、遊びの余地を残せる。そのゲームが「編成の公平さ」と「編成の自由度」のどちらを優先するかによって、選ぶ設計が変わるのだと自分は考える。
まとめ
Overwatchの新しいサブロールは、ロールキューで選んだ枠の中で、ヒーローの得意分野に合わせてパッシブを配る分類だ。編成の大枠は2019年から続くロールキューが決め、その内側では好きな組み合わせでサブロールの恩恵を受けられる。Apex Legendsのクラスも同じ形で、違うレジェンドなら同じクラスを並べられる。分類がキューに入る前の選択を制限しているかを見分けると、そのゲームで編成をどこまで自由に試せるかが分かる。
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